“私語”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ささや37.7%
ささやき22.3%
さゝや14.6%
さゝやき8.5%
しご7.7%
さゞめ1.5%
ささめ1.5%
ささめき1.5%
ささめごと1.5%
ささやぎ0.8%
さゝやく0.8%
さゞめごと0.8%
つぶやき0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
舷側に私語ささやく海の言葉を聞き乍ら、美しい日輪の下で久し振りにボルトの頭へスパナアを合わせたりするのが此の上なく嬉しかった。
上海された男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
腐ったINKの海・テイジョ河口の三角浪・桟橋の私語ささやき・この真夜中の男女の雑沓・眠ってる倉庫の列・水溜りの星・悪臭・嬌笑。
らおめえ、手洟てばなはかまねえよ」といつたりがら/\とさわぎながら、わら私語さゝやきつゝ、れた前掛まへかけいてふたゝめしつぎをかゝへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あの林檎畠が花ざかりの頃は、其枝の低く垂下つたところを彷徨さまよつて、互ひに無邪気な初恋の私語さゝやきを取交したことを忘れずに居る。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
が、すぐあちらこちらに私語しごがはじまり、それが、たちまちのうちに、ごったがえすようなそうぞうしい話声となって、室じゅうに入りみだれた。
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
皆天には霧の球、地には火山の弾子だんし、五合目にして一天の霧やうやれ、下によどめるもの、風なきにさかしまにがり、故郷を望んで帰りなむを私語さゞめく。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
見物席のそこらここらから笑い私語ささめく声が聞えたが、有繋さすがは紅葉である、少しも周章とっちらないで舞台へ来ると、グルリと後ろ向きになって悠然ゆうぜんとして紺足袋を脱いだ。
たまをもらす私語ささめきに誘はれつつも
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
私語ささめごとするときの衣ずれや、においや、体温すらも、まざまざと、かれにはわかる。ひたと、身を寄り添うてくるのでもあった。
あだなる人の私語ささやぎ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
たゞ折々をり/\きこゆるものは豌豆ゑんどうさやあつい日にはじけてまめおとか、草間くさまいづみ私語さゝやくやうな音、それでなくばあきとり繁茂しげみなか物疎ものうさうに羽搏はゞたきをする羽音はおとばかり。熟過つえすぎ無花果いちじくがぼたりと落ちる。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
『あなゆるされぬを、』と私語つぶやきひく
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)