“へい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヘイ
語句割合
48.2%
13.6%
10.1%
3.8%
3.6%
3.4%
3.1%
2.7%
1.7%
這入1.5%
1.5%
0.8%
閉伊0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.2%
獄塀0.2%
囚塀0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
板塀0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
高塀0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その半刻の間、お前は路地の暗がりに隱れてゐて、皆んな歸つた後で、木戸を閉めに出たお菊を殺し、へいを乘り越えて逃げ出した筈だ
なまじいに科学的な国柄だけに西洋の方に此のへいが強く、例えば、オスカア・ワイルドに「カンタビイルの幽霊」というものがあるが
FARCE に就て (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
抽斎がもし生きながらえていて、幕府のへいを受けることをがえんじたら、これらの蘭法医と肩をくらべて仕えなくてはならなかったであろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
をつとかたきおぼえたかといひさま彼の懷劍くわいけん胴腹どうばら突込つきこみしかばへい四郎はアツトこゑたて仰向のつけたふれ七てんたうなすゆゑ隣の座敷ざしきは源八歌浦うたうらなれば此聲このこゑおどろ馳來はせきたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
るにはるがあづけてある。いきほへいわかたねばらない。くれから人質ひとじちはひつてゐる外套ぐわいたう羽織はおりすくひだすのに、もなく八九枚はつくまい討取うちとられた。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この間宿の客が山から取って来てへいした一輪の白さと大きさとかおりから推して、余は有るまじき広々としたを頭の中に描いた。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やはり同種類のへいに逢った時、これはこの種類の代表者もしくはその一つであると認めるのは conception の力であります。
創作家の態度 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
案内は白衣にへいさゝげて先にすゝむ。清津きよつ川をわたりやがてふもとにいたれり。巉道さんだうふみ嶮路けんろに登るに、掬樹ぶなのき森列しんれつして日をさへぎり、山篠やまさゝしげりてみちふさぐ。
「エエ、ごみへいった……」と背中へ手を突っこみながらふりかえってみると、むしろをかぶせた四角い荷物。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おど! 駄目だ、おど。足さ合わせてこせえだのだがら、おど足さなど這入へいんねえがら……」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
褐衣の人はぐるりと路を変えて、へいをめぐらした家の旁を通って案内していった。楼閣の建ち並んでいる処があった。褐衣の人はそこを折れ曲っていった。
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
もふたも無いような言い方をしてすまし込んでいるものですが、そもそもこの日本の国は神国なり、日常の道理を越えたる不思議の真実、へいとして存す。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
▼——義経の一子は、密かに、佐々木四郎高綱の許で育てられ、左兵衛義高となって、後に、岩手県閉伊へい田鎖たぐさりの領主となった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大塩は政治の腐敗と、世道の紊乱びんらんが、なんに由来するかを檄文で書いている。「——天子は足利家以来、別して御隠居御同様、賞罰のへいを御失い候につき」
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
捕卒は縄つきのままで許宣を道案内にして双茶坊へ往って、秀王墻の前になって高いへいに囲まれた黒い楼房にかいやの前へ往った。それはもう古い古い家で、人が住んでいそうには思われなかった。
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
沙翁シェキスピヤ好きの人は熟知の通りギリシアの美少年アドニス女神ヴェヌスにへいされしをその夫アレース神妬んで猪と現われ殺した時ヴェヌス急ぎいて蜜汁をその血にそそぐとたちまち草が生えた
曲々たる欄干らんかん正々たるへい
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
何承天かしょうてんの『達性論たっせいろん』にいわく、「生ずるに至れば、必ず死あり。形へいし、神散ず。なお春に栄え、秋に落ち、四時代換するがごとし。なんぞさらに形を受けることあらんや」と)(『弘明集ぐみょうしゅう』)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
その故に他の作家、殊に本来密を喜ぶ作家が、みだりに菊池の小説作法を踏襲たふしふしたら、いきほひ雑俗のへいおちいらざるを得ぬ。自分なぞは気質の上では、可也かなり菊池とへだたつてゐる。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
昨日はへい(河東)さんの番でありまして、少し悪く御座いました、昨晩はサッパリと寝ませんで、今日も良くありませんゆえ、また朝から秉さんにきておもらいしたでしたが
竹乃里人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
番「いえー胡麻のへいかい、それだから夜は戸を明けない方がいというのだ、大変な騒ぎが出来た」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
多「嘘はけねえものだなア、小平ハア斯う知れてしまったから、おれは胡麻のへいだと云ってけえった方が宜かんべい、番頭さん、此奴こいつは道連の小平という胡麻のへいでがんすよ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
凧あらぬ空のさびしささがしゐて獄塀へいより高く揚がる羽根みる
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
獄塀へいぎはの日向にふたつクローバの花咲きゐたり四月の六日
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
「その化物がへいを越したり生垣いけがきをくゞつたり、若くて綺麗な娘のある家ばかりねらつて歩くとしたらどんなもので」
あおくこけのついたれんがのまじっているへい子細しさい見上みあげました。
新しい町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
へいゲームを取れ!」
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
みんなして板塀へいがドッと音のするほど水をいて、樹木から金のしずくがこぼれ、青苔あおごけが生々した庭石の上に、細かく土のはねた、健康そうな素足を揃えて
其限それぎりか。へい。左様かへ、さあ遅くなる、関はずに行くがよい。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
明窓浄几めいそうじょうき一炷しゅノ香一へいノ花。筆硯ひっけん紙墨ハかならずそなフ。茗ハ甚シク精ナラザルモマタ以テ神ヲ澄スニ足リ、菓ハ甚シク美ナラザルモマタ以テ茗ヲ下スニ足ルベシ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
籃藍は相通さうつうである。第三にはへいがある。平は萍と通ずる。第四には滑石くわつせきがある。第五に薄荷はくかがある。第六に蒨草せんさうがある。洗蒨は相通である。第七に五加ごかがある。五加と吾家とは音通である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それに四方は煉瓦の高塀へいで何処へ逃げて行く隙も無い。それだのに曲者は居ないのだ。居るものは牛と牛飼人うしかいばかり、それで牛飼人に尋ねて見たが、そんな怪しい人影は見かけなかったと云う返辞だ。
闘牛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)