“墻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かき83.9%
まがき4.8%
へい3.2%
かきね1.6%
かべ1.6%
がき1.6%
しょう1.6%
たかく1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と絶叫しながら、方丈のかきをこえて逃げようとしたが、肥っているので転げ落ちたところを、張闓の手下が槍で突き刺してしまった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われは數畝の葡萄圃を隔てゝ、始て熔巖を望み見たり。數間すけんの高さなる火の海はまがきを掩ひいへを覆ひて漲り來れり。
家に帰ると座敷の内には藪蚊がうなっていて、へいの外には夜廻の拍子木が聞えるのである。
帝国劇場のオペラ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それらの農家は、円い形の厚い藁ぶき屋根と土のかきねと、ポプラの樹のかげに、伝統的なフランス農民の生活をつつんでいるようだった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
あらゆる物を取り去った後で寺や石かべやが建てられたかの感がある。
つぐみのように葡萄ぶどうの実を盗み食いし、果樹がきからももをひそかにもぎ取り、梅の木によじ登り、あるいは通りがかりにそっと梅の幹をたたいて、口に入れるとかおりある蜜のようにける金色の小梅を
池の左右に植わっているのは、二株ふたかぶとも垂糸檜すいしかいに違いない。それからまたしょうに寄せては、翠柏すいはくへいが結んである。その下にあるのは天工のように、石を積んだ築山つきやまである。
奇遇 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
容止みかほたかくさかしくて音辞みことばすぐあきらかなり。天命開別あめみことひらかすわけの天皇(天智天皇)の為にめぐまれたまふ。ひととなるに及びてわいわいしくて才学かど有り、もっと文筆ふみつくることこのむ。詩賦しふおこり、大津より始まれり……。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)