“欄干”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らんかん66.4%
てすり28.4%
おばしま3.7%
まわり0.3%
クロス0.3%
ハンドレエル0.3%
ランカン0.3%
レイル0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時には赤い裏のきたない布団が、二階の欄干らんかんにほしてあった。一緒に行った姉にいても、汚い家だといって教えてはくれなかった。
四谷、赤坂 (新字新仮名) / 宮島資夫(著)
同夜は宿を頼んだ同好の士島醫學士の厚意に依つて、特に三條村から操座を招いて、同家二階座敷に欄干てすりを急造して演出して貰つた。
きざはしを上がりきらぬ所に薫がすわると、宮はもっと上にともお言いにならず、御自身も欄干おばしまによりかかって話をおかわしになるのであった。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
……よく、言う事で——佐渡ヶ島には、ぐるりと周囲に欄干まわりがあるか、と聞いて、……その島人に叱られた話がある。
半島一奇抄 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それが船橋ブリッジ欄干クロスに両ひじたせて、青い青い秋空の下に横たわる陸地おかの方を凝視みつめているのだ。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その日、私は、外の候補生仲間と、欄干ハンドレエルによりかゝつて、日の暮れかゝる港を見てゐますと、例の牧田が私の隣へ来て、「猿を生捕つたのは、大手柄だな」と、ひやかすやうに、云ひました。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
欄干ランカンハ屈曲シテ明月ヲ留メ
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
港は、H丸の欄干レイルの下に、一日の生活を開始した。検疫を迎える小梯子の周囲は、黄色い旗をかざした水上警察艇と、一刻も早く上船しようとする土人の両替舟とで、水の見えないほど詰っている。