“検”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
しら53.9%
あらた36.7%
けん2.1%
あら1.6%
1.6%
ため1.3%
けみ1.0%
しらべ1.0%
くら0.3%
0.3%
たしか0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
知りたかったのだ。あとは発送簿はっそうぼの数量を逆にしらべてゆくと、あの箱を積んだ日、したがってあれを製造した日がわかるという順序なんだ
地獄街道 (新字新仮名) / 海野十三(著)
水かさが増した濁流の三条口には、仮橋のたもとに沢山な騎馬武者がいて、武蔵ばかりでなく、往来人はいちいち止めてあらためていた。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
リンゴの果実は、これをたてに割ったり横に切ったりして見れば、よくその内部の様子がわかるから、そうしてけんして見るがよい。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
彼はその不規則な筋を指の先でざらざらでて見た。けれども今更鄭寧ていねいからげたかんじんよりの結び目をほどいて、一々中をあらためる気も起らなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
店では恐縮して、奥の一間で衣類なぞをてみたが、もちろん品物は出てこなかった。女はふんと鼻を高くして、下女を連れて帰って行った。
なぜ帆村は、そんなことをためしてみたのであろう。彼はなんとなく怪しい西洋封筒を受取ってから、急に警戒心を生じたのであった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
表現の方法の巧拙を論ずる前に、先づその表現の方法の全身的であるか否かを第一にけみすべきではないか。第一義的であるか否かを検すべきではないか。
月明夜々 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
つい隊長様なんぞのお耳へ入って、御存じだから、おい奴さん。おめえしらべの時もそのお談話はなしをなすったろう。
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左の眼尻めじり黒子ほくろがあったが、——そんな事さえくらべて見ても、やはり確かに男だった。お蓮は不思議に思うよりは、嬉しさに心をおどらせながら、そのまま体も消え入るように、男のくびへすがりついた。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
事務室のまん中の大机には白い大掛児タアクワルを着た支那人シナじんが二人、差し向かいに帳簿をらべている。一人ひとりはまだ二十はたち前後であろう。もう一人はやや黄ばみかけた、長い口髭くちひげをはやしている。
馬の脚 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
血まみれの中を後でよくたしかめてみるがよい。——なお、不審な事、分らぬ点は、この床下へ、ふんじばって突っ込んである浪人へ問いただすがよい。
夏虫行燈 (新字新仮名) / 吉川英治(著)