“近辺”のいろいろな読み方と例文
旧字:近邊
読み方割合
きんぺん44.4%
あたり16.7%
きんへん11.1%
きんべん11.1%
きんじょ5.6%
ちかまわり5.6%
キンペン5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはりぶらさがったままである。近辺きんぺんに立つ見物人は万歳万歳と両人ふたりはやしたてる。婆さんは万歳などにはごうも耳を借す景色はない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
東北とうほく地方は一躰いったい関西かんさい地方や四国しこく九州きゅうしゅうの辺とちがって、何だか薄暗い、如何いかにも幽霊が出そうな地方だが、私がこの夏行った、陸中国遠野郷りくちゅうのくにとおのごう近辺あたりも、一般に昔からの伝説などが多くあるところだ。
テレパシー (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
我が塩沢しほざは近辺きんへんの風俗に、正月十五日まへ七八歳より十三四までの男のわらべどもさいの神勧進くわんじんといふ事をなす。少し富家ふかわらべこれをなすには𣖾木ぬるでのきを上下よりけづかけつばの形を作る、これを斗棒とぼうといふ。
さて一月もたゝざるうちに近辺きんべん所々にてんぷらの夜みせいで、今は天麩羅の名油のごとく世上に伝染しみわたり、此小千谷をぢやまでもてんぷらの名をよぶ事一奇事といふべし。
近辺きんじょうちがごちゃ/\して居ていけませんし、ちょうど白山に懇意なものが居りまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
客はこの近辺ちかまわりの場所には余り似合わぬ学生風、何でも中洲に住んでるとより外くわしくは知らないが、久しい間の花主とくいで紋床はただ背後うしろの私立学校で一科目預っている人物と心得て、先生
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
入声音またはンにつづくハ行音はパピプペポの音であったものと思われる(「一遍イッペン」「匹夫ヒップ」「法被ハッピ」「近辺キンペン」など)。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)