“一遍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いっぺん70.7%
いつぺん17.1%
ひとがえり2.4%
ひとがへり2.4%
ひととほり2.4%
ひとわたり2.4%
イッペン2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女はそれを聞きながら、太い赤い指で窓がまちを軽くたたいていたが、わたしが口上を終ると、もう一遍いっぺんわたしをじっと見つめた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
宗助そうすけ自然しぜん叔父をぢうちあしとほくなるやうになつた。たまにつても、義理ぎり一遍いつぺん訪問はうもんをはことおほいので、かへみちには何時いつつまらないがしてならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「おれも一遍ひとがえり行ってみべが。」
鹿踊りのはじまり (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「おれも一遍ひとがへりつてみべが。」
鹿踊りのはじまり (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
主は彼に向ひて宮の家内かないの様子をたづねけるに、知れる一遍ひととほりは語りけれど、娘は猶能なほよく知るらんを、のちに招きて聴くべしとて、夫婦はしきりさかづきすすめけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
あくあしたの食後、貫一はづこの狭き畑下戸はたおり隅々すみずみまで一遍ひとわたり見周みめぐりて、ぼその状況を知るとともに、清琴楼の家格いへがらを考へなどして、かはらに出づれば、浅瀬にかかれる板橋の風情ふぜい面白く
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
入声音またはンにつづくハ行音はパピプペポの音であったものと思われる(「一遍イッペン」「匹夫ヒップ」「法被ハッピ」「近辺キンペン」など)。
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)