“嘶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いなな76.6%
いなゝ9.7%
6.2%
いななき4.1%
いば2.8%
いなゝき0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうどその時、四五十歩を隔てた、夜店の賑かな中を、背後うしろの方で、一声高く、馬のいななくのが、往来の跫音あしおとを圧して近々と響いた。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さんとして馬いなゝかず、この間の花は、磧撫子かはらなでしこ蛍袋ほたるぶくろ擬宝珠ぎぼうし、姫百合、欵苳ふき、唐松草等にして、木は百中の九十まで松属まつぞくの物たり。
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
仕方がないから家と云うが、実のところは、家じゃもったいない。牛さえいれば牛小屋で馬さえけば馬小屋だ。何でも草鞋わらじを売る所らしい。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
犬の吠え声、たこの唸り、馬のいななき、座頭の高声、弥次郎兵衛も来れば喜太八も来る。名に負う江戸の大手筋東海道の賑やかさは今も昔も変わりがない。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
出して、(しょうろく四銭しもんで乗るべいか。)馬士うまかたが、(そんなら、ようせよせ。)と言いやす、馬がヒインヒインといばう。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そとまはひと絹帽子きぬばうしひかりえた。洋劍さあべるおとだの、うまいなゝきだの、遣羽子やりはごこゑきこえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)