木端こば)” の例文
木端こば葺きの湯殿の屋根から白く湯気の立ち騰るのや崖下の渡廊下を溜塗ためぬりの重ね箱をかついだ束髪の菓子売りが、彼方の棟へ渡って行くのなどが見える。
夏遠き山 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
園はまた父の手紙を見つめたまま、右手の指で机の木端こばたたきながら長く考えつづけた。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)