“諧謔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいぎゃく78.2%
かいぎやく14.5%
ユーモア1.8%
ヒューマー0.9%
おどけ0.9%
じようだん0.9%
たわむれ0.9%
ふざけ0.9%
ヒューモア0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
辛辣しんらつ諧謔かいぎゃくまじりに、新聞記者へ説明されましたもので『この地球表面上に棲息している人間の一人として精神異状者でないものはない』
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
時々勇敢なことをしたり、或は又言つたりするものの、決して豪放がうはうな性格の持ち主ではない。が、諧謔かいぎやく的精神は少からず持ち合せてゐる。
僕の友だち二三人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
現在僕等の受難たるや、あの男の物凄い諧謔ユーモアを解せなかったにある。ねえ熊城君、あの鍵は殯室モーチュアリー・ルームの中にあるのだよ。廊下のドアは、内側から鎖されたんだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ある評家は諧謔ヒューマーに乏しいこの物語をさほど高く評価せず、また他の評家はこれをこの作家の最も完璧な傑作と激賞し
我我われわれは何がな夜間の就寝じゆしんまでの時間を費す娯楽を欲して居る。ある晩近江医学士が偶然専門である婦人科の話を諧謔おどけ交りに述べ出すと奇怪な質問が続出してたがひおとがひを解いた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
賑やかに笑ひさざめく夜にだけしか思ひつくことのできない諧謔じようだんや駄洒落を、やたらに連発する若い衆たちの間へ割りこんで揉まれる面白さは、ちよつと口では説明が難かしいくらゐだ。
若太夫は、座興のつもりで云った諧謔たわむれを、真向まっこうから突き飛ばされて、興ざめ顔に黙ってしまった。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
あの豚一様ぶたいちさま(豚肉を試食したという一橋公の異名)か、何も知らないものは諧謔ふざけ半分にそんなことを申しまして、とかく江戸では慶喜公の評判がよくございません……
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼はお延の置いて行った書物のうちから、その一冊をいた。岡本の所蔵にかかるだけあるなと首肯うなずかせるようなおもむきがそこここに見えた。不幸にして彼は諧謔ヒューモアを解する事を知らなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)