“ありさま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アリサマ
語句割合
光景35.3%
有様30.2%
状態13.4%
有樣4.7%
1.7%
形勢1.3%
景況1.3%
容体0.9%
形状0.9%
状況0.9%
形容0.4%
景状0.4%
體裁0.4%
容子0.4%
容態0.4%
容體0.4%
實情0.4%
情勢0.4%
情態0.4%
情景0.4%
惨状0.4%
景樣0.4%
景色0.4%
有状0.4%
様式0.4%
活劇0.4%
現状0.4%
現象0.4%
行粧0.4%
蹺蹊0.4%
風情0.4%
風采0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これまで私が君に話したことで、君は浅間山脈と蓼科たでしな山脈との間に展開する大きな深い谷の光景ありさまほぼ想像することが出来たろうと思う。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
荷物にも福澤と記さず、コソ/\して往来するその有様ありさまは、欠落者かけおちものが人目を忍び、泥坊どろぼうが逃げてわるようなふうで、誠に面白くない。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
国は小さく、民はすくなく、しかして残りし土地に荒漠多しという状態ありさまでありました。国民の精力はかかるときにめさるるのであります。
片手のてのひらにぎり込むを得る程の石にて打ち、恰も桶屋おけやが桶の籠を打ち込む時の如き有樣ありさまに、手をうごかし、次第次第しだい/″\に全形を作り上げしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
ここにその倉人女、この語る言を聞きて、すなはち御船に追ひ近づきて、その仕丁よぼろが言ひつるごと、ありさまをまをしき。
雪頽なだれ形勢ありさまいかんとなれば、なだれんとする雪のこほり、その大なるは十間以上小なるも九尺五尺にあまる
はつよきの音、板削る鉋の音、孔をるやら釘打つやら丁〻かち/\響忙しく、木片こつぱは飛んで疾風に木の葉の飜へるが如く、鋸屑おがくづ舞つて晴天に雪の降る感応寺境内普請場の景況ありさま賑やかに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
されど深長なる意味ありて存するごとく、満身の気をまなこにこめて、その瞳をも動かさで、じっと人を目詰みつむれば他をして身の毛をよだたすことある、その時と同一おなじ容体ありさまにて、目まじろぎもせで
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さしつらぬき見るに見られぬ形状ありさまなれば平吉はどうとばかりにたふふし死骸しがいに取付狂氣きやうきの如く天に叫び地にまろ悲歎ひたんくれて居たりしがやゝありて氣を取直し涙をぬぐ倩々つく/″\と父のおもて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
往年さきのとし鬼怒川きぬがわ水電水源地工事の折、世に喧伝けんでんされた状況ありさまを幾層倍にして、今は大正の聖代に、ここ北海道は北見きたみの一角×××川の上流に水力電気の土木工事場とは表向おもてむき、監獄部屋の通称とおりなが数倍判りいい
監獄部屋 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
はた白眼にらみし其形容ありさまに居並び居たる面々めん/\何れも身の毛も彌立よだつばかりに思ひかゝる惡人なれば如何成事をや言出すらんと皆々みな/\手にあせ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なし忽まちまなこ血走ちばしりつゝ髮も逆立さかたつ形容ありさまにて斯る證人有上は此趣きを直樣すぐさまに御奉行樣へ駈込かけこんで彼の長庵を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ば顏へ押當おしあてながら引るゝ儘に床の上へ倒れ掛りし姫柳ひめやなぎかぜに揉るゝ景状ありさまなり庄兵衞是は首尾よしと思ふ間もなく娘のお光夜具のえりをば庄兵衞の顏へすつぽり掛けながら口の所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つかんで息絶いきたへたりお光はほつと長息といき夜具やぐかい退のけてよく/\見れば全く息は絶果たえはてて四邊は血汐ちしほのからくれなゐ見るもいぶせき景状ありさまなり不題こゝに大藤おほふぢ左衞門は娘が出しをすこしも知ずふしてを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かはし候由尤も其節長庵が體裁ありさま甚だ以て如何敷いかゞしき趣きに有之候旨に御座候之に依て右忠兵衞證據人に相立あひたて此段御訴訟申上奉つり候何卒なにとぞ格別かくべつの御慈悲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まつとなりしあはれさはたとへものもなかりけり茲に腰元こしもとお島と言は其以前より藤五郎がひそかなさけをかけし女なれば此程の體裁ありさまいとほしく思ひ人目を忍びて朝夕の食事其外何くれとなく心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
唯真すぐに向を見るのみ、起居たちゐ振舞ふるまひ自由ならざる、如何どうしても明治の木曾殿と云ふ容子ありさま
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
浴後ゆあがりの顔色冴々さえざえしく、どこに貧乏の苦があるかという容態ありさまにて男は帰り来る。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
くんで差出すぼん手薄てうす貧家ひんか容體ありさま其の内に九助は草鞋わらぢひもときあしを洗ひて上にあがり先お里へも夫々それ/″\挨拶あいさつして久々ひさ/″\つもる話しをなす中にやがてお里が給仕きふじにて麥飯むぎめし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
艦長閣下かんちやうかくかじつ容易ようゐならぬ事變じへん大佐閣下たいさかくかうへおこりました。』と、それより、兵曹へいそうわたくしとは迭代かたみがはりに、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ海底戰鬪艇かいていせんとうていことその大成功だいせいこう實情ありさまおよび二ぐわつ十一にち夜半やはん
勝手な事をしてやろうと腕によりをかけて待っているような情勢ありさまであります
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
まあ私には、その情態ありさまが、まるで錦絵か羽子板の押絵のように思われて来るので御座いますよ。——御隠居様と小式部さんとが二人立ちで……。
絶景万国博覧会 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その時のお姉様の御主人となっておられた貴方の御先祖……すなわち、この令嬢の一千年前の義理の兄さんであった貴方と、同棲しておられる情景ありさまを、現在夢に見ておられるのです
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
総身そうしん赤くれたるに、紫斑々しはん/\あとを印し、眼もてられぬ惨状ありさまなり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
引開ひきあけ見ればお光はすでにはや庄兵衞をば刺留しとめつゝ今や自害じがいをなさんとする景樣ありさまなるに大きに慌忙あわてヤレまてしばしと大聲おほごゑあげんとなししが夜隱やいんのこともしも長家へ漏聞もれきこえ目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ホモイはちょっとその動物園どうぶつえん景色ありさまを考えてみて、たまらなくおもしろくなりました。そこで
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大自然だいしぜんの、悠然いうぜんとして、つちみづあたらしくきよ目覺めざむるにたいして、欠伸あくびをし、はならし、ひげき、よだれつて、うよ/\とたなかひこうごめづる有状ありさまは、わる見窄みすぼらしいものであるが
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ただ闇雲やみくもに、外面如菩薩げめんにょぼさつの、噉肉外道たんにくげどうの、自力絶対のと、社会よのなかが変っても、人心や生活くらし様式ありさま推移うつっても、後生大事に旧学にかじりついているのは、俗にいう、馬鹿の一つ覚えと申すもので……。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
如何いかにも古風こふうらしい一個ひとり英國人エイこくじんつてつたが、この活劇ありさまるより、ぶるぶると身慄みぶるひして
そこで技手の平岡ひらおかは田川お富に頼んで、お秀の現状ありさまを見届けた上、局を退くとも退かぬとも何とか決めて呉れろと伝言つたえさしたのである。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ふみしめ徐々と出來る跡には役僧やくそう二人付そひ常にかはり行粧ありさまなりやがて門まで來り浪人にむか恭々うや/\しく是は/\山内先生には宜こそ御入來ごじゆらい成たりいざ御案内と先にすゝめ浪人らうにんおくする色なく引續ひきつゞいて隨ひ行ぬ扨此浪人の山内先生とは如何なる者といふにもと九條前關白殿下くでうさきのくわんぱくでんかの御家來にて山内伊賀亮やまのうちいがのすけしようせし者なり近年病身びやうしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さらばその人は作業なりはひ七九うときゆゑかと見れば、つとに起きおそくふして八〇性力ちからこらし、西にひがしに走りまどふ八一蹺蹊ありさまさらにいとまなく、その人おろかにもあらで才をもちふるに八二あたるはまれなり。
よもや忘れは成るまじとかき口説くどかれて千太郎は何と答へも面目めんぼくなくきえも入たき風情ありさまなりやゝあつて久八に向ひ段々の異見いけん我が骨身ほねみこたへ今更わびんも樣なし以後は心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
美女たをやめ風采ありさまは、むらさき格目こまめうへに、にじまくらした風情ふぜいである。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)