“醜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みにく66.6%
みぐる5.0%
みに4.7%
しこ4.4%
しゅう4.1%
わる2.8%
きたな2.5%
まず1.9%
しう0.9%
まづ0.9%
0.9%
いや0.6%
きた0.6%
0.6%
みぐるし0.6%
みつともな0.6%
0.3%
にく0.3%
0.3%
みぐ0.3%
むさ0.3%
シコ0.3%
メグサ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すなわち花はまこと美麗びれいで、つ趣味にんだ生殖器であって、動物のみにくい生殖器とは雲泥うんでいの差があり、とてもくらべものにはならない。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
『その御一周忌に御参拝ありながら、まだ、山科へお帰りもないうちに、この遊興沙汰は何事でござりますか。余りにも、みぐるしい』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宇佐川鐵馬は小さい身體ををどらせると、苦もなく生垣を越えて、四角な顏をみにくく歪めたまま、逃げ腰乍ら一刀の鯉口こひぐちを切ります。
宛ながら足の四本に止まるをうらむが如く、一口ひとくちに他の犬をうてしまうことが出来ぬを悲しむ如く、しこ壮夫ますらおデカ君が悲鳴をあげつゝ追駈おっかける。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と、寺へ駈け込んで、一夜に髪をりこぼち、きのうの具足太刀を、数珠ずず法衣ころもに着かえて、どこまでも命を保とうとした醜類中のしゅうもあったが
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「美い女——君にはどうして、いい女か、わるい女か、それがわかる、まあ、いいや、勘でわかるとして置いて、事実、女もああなるとすごいね」
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そりゃ俺なんか、きたないさ。義公なんかと比べもんになんないさ。けど、俺は、誰がなんといっても葉ちゃんが好きだ……
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
それを待っていたように、そっと中から開けたのは、寝巻姿のお染、まだ寝乱れてはいませんが、まずいながらも妙に娘らしくなまめきます。
が、あれは余りまづすぎるので、人に買はれると、しうを後世に残すから、わざと誰も買はないやうな、高い値段づけをつけたんだらうと推察した。
俳画展覧会を観て (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それを待つて居たやうに、そつと中から開けたのは、寢卷姿のお染、まだ寢亂れては居ませんが、まづいながらも妙に娘らしくなまめきます。
桂次は東京に見てさへるい方では無いに、大藤村の光る君歸郷といふ事にならば、機場はたばの女が白粉のぬりかた思はれると此處にての取沙汰、容貌きりやうのわるい妻を持つぐらゐ我慢もなる筈
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と息をく処を、新吉は横眼でじろりと見ると、もう/\二眼ふためと見られないいやな顔。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
生家うち逃亡かけおちて、坑夫にまで、なりさがる決心なんだから、大抵の事に辟易へきえきしそうもないもんだがやっぱりきたないもののそばへは寄りつきたくなかった。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
心中でもしようといふ奴は、日本橋のさらし場で毎々お前も見てゐるだらうが、大概男に女ときまつたものだ。美男美女の心中といふものを、俺はまだ見たこともないよ。
また貝原益軒は猫の特質として死ぬ時の貌いかにもみぐるしいから必ず死ぬ態を人に見せぬと言って居る。
唯こんな場合にはみつともない細君よりは美しい方がずつと恰好なものだ、丁度帽子をきせる頭は禿げたのよりも、髪の毛の長いのが恰好なやうに。
御座おざめる事の多い者であって、それを忌憚きたんなく女自身が書いたら風俗を乱すなどと想う人もありましょうが、女とても人ですもの、男と格別変って劣った点のある者でなく
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
およぜいつとめ、ところけいするところかざり・しかうしてにくところ(八五)めつするをるにり。かれみづか其計そのけいとせば、すなは其失そのしつもつこれ(八六)きはむるかれ。
すぐっともなくなって、美しい夢を壊してしまうより、身を投げて、愛するひとの記憶の中に永久にとどまっていたい……自分の死に同情して
喪服 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
『そなたの、そのみぐるしい姿すがたなんじゃ! まだ執着しゅうじゃく強過つよすぎるぞ……。』わたくし何度なんどみぐるしい姿すがたをお爺様じいさまつけられてお叱言こごと頂戴ちょうだいしたかれませぬ。
世事のいことむさいこと、すべてを忘れて、一ときでも半夜でも、綺麗事につつまれて、さらりと屈託を捨てて来るのがあの遊廓さとでござりまするがの。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
キミシコの御楯といふ物は、如此カヽる物ぞと進め。真前マサキに——小木捨九郎主に
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ある日爺が留守のとき、婆がデコにはいってみると、櫃の陰から、なんともかんともいわれぬメグサいカブキレワラシが出てきたので、箒でもって頭を打ちたたき、外へ追い出した。
東奥異聞 (新字新仮名) / 佐々木喜善(著)