“きたな”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:キタナ
語句割合
45.3%
45.0%
2.6%
汚穢2.3%
卑劣0.6%
0.6%
不潔0.6%
垢穢0.6%
穢汚0.6%
0.3%
0.3%
穢悪0.3%
0.3%
醜穢0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いったい蓮華は清浄しょうじょうな高原の陸地にはえないで、かえってどろどろした、きたな泥田どろたのうちから、あの綺麗きれいな美しい花を開くのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
きたなきアルピーエこゝにその巣を作れり、こは末凶なりとの悲報をもてトロイアびとをストロファーデより追へるものなり 一〇—一二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
もし私が、閣下へ申しあげたような言をそのままわが主君へ進言したら、たちどころに斬首されるか、きたなき奴と、生涯さげすまれるにきまっております
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
アノ『基督教青年』を私が汚穢きたない用に用いるのは何であるかというに、実につまらぬ雑誌であるからです。
後世への最大遺物 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
よしや惜しむとも惜しみて甲斐なくとどめて止まらねど、たとえば木匠こだくみの道は小なるにせよそれに一心の誠をゆだ生命いのちをかけて、欲も大概あらましは忘れ卑劣きたなおもいも起さず
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「どうかごゆっくりなすってくださいませ、こんなきたない処でございますが」
竇氏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かくさんが爲にとぼけらるゝか其所らは貴殿より此方が苦勞人くらうにん最早何も斯も御上へ知れて居る己が白状しねへとておたがひに助からぬ命なり意地いぢ不潔きたな愚※々々ぐづ/\せずと奇麗きれいに白状して惡徒あくたうは又惡徒だけ男らしく云て仕舞と云へば長庵は彌々空嘯そらうそぶき三次とやらん何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
悠々然とのみ衣服なり垢穢きたなじじもあり、道具捜しにまごつく小童わっぱ、しきりに木をく日傭取り、人さまざまの骨折り気遣い、汗かき息張るその中に、総棟梁ののっそり十兵衛
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
種種の味物ためつものを取り出でて、種種作り具へてたてまつる時に、速須佐の男の命、そのしわざを立ち伺ひて、穢汚きたなくして奉るとおもほして、その大宜津比賣おほげつひめの神を殺したまひき。
「吾は恆に思ほすことあり。ぞといへば、いましの子目弱の王、人となりたらむ時、吾がその父王を殺せしことを知らば、還りてきたなき心一二あらむか」
諸の神たちにせて詔りたまはく、「もし天若日子、みことたがへず、あらぶる神を射つる矢の到れるならば、天若日子になあたりそ。もしきたなき心あらば、天若日子この矢にまがれ一六
これは禁忌の風習が漸く一般に普及して、彼らはきたなきもの、穢れたるものだとの思想が、著しくなったことを示したものである。
降って文安三年の「壒嚢抄」には、大体「塵袋」と同じ文でありながら、特にそれを悪人とは云わず、ことさらに「餌取体のきたなき者なり」と言いかえている。
もとよりしか穢悪きたなき心もて作りて、人を欺く道なるけにや、後の人のうわべこそ尊み従ひがほにもてなすめれど、まことには一人も守りつとむる人なければ、国の助けとなることもなく
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
果せるかなくだんの組はこの勝負にきたなき大敗を取りて、人も無げなる紳士もさすがに鼻白はなしろみ、美き人は顔をあかめて、座にもふべからざるばかりの面皮めんぴかかされたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
安全な所へかくしてしまったでしょうし、それに捕縛など仕ようものならば、あの醜穢きたない問題がまたまた火の手を揚げて、くらやみの恥をあかるみへ出す様なものですからね
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)