“尠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すくな71.2%
すく25.1%
すこ1.4%
まれ0.7%
スクナ0.7%
すくなか0.3%
すくの0.3%
ずく0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誰もが知っている通り、春夏秋冬と、松の木ぐらい手入ていれに手数のかかる木はすくない。自然物入ものいりもかさむ。全くやっかい至極な放蕩息子だ。
解説 趣味を通じての先生 (新字新仮名) / 額田六福(著)
別して巣林子の著作のうちに恋愛の恋愛らしきもの甚だすくなきを悲しまざるを得ず。けだし其のこゝに到らしめしもの諸種の原因あるべし。
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
籐椅子に凭れずに、すこし上体を前こごみにすると、隣の部屋に編み物をする弟の妻、ことし三十になる女の半身が見えるのである。
(新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
平和主義を抱ける洋人某、つて余と「八犬伝」を読む。我が巻中に入れたる揷画、なまぐさき血を見せざる者甚だまれなり。
想断々(1) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
その父君も、今は筑紫に居る。スクナくとも、姫などはさう信じて居た。家族のナカバ以上は、太宰帥ダザイノソツのはな/″\しい生活の装ひとして、連れられて行つてゐた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
流水は國文科出身の學士で徳川文學に關する著述をすくなからず公にし又絶えず新聞に小説の筆を執つて居る事をも聞知つて居たので、眠られぬ儘に日本の文學界の事など質問した。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
「役人は割合とすくのうございますが、社長重役というのがザラに見えます。尤も随分ひどいのも来ます」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
中味ずくなの鉢を麗々と朱塗りの台に載せ、幕間に「へい御退屈さま」と桟敷へ持ち込む。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)