解説 趣味を通じての先生かいせつ しゅみをつうじてのせんせい
松の樹が嫌いだった。 「君、あれは放蕩息子だよ。」 冗談によくそんな事を云われた。誰もが知っている通り、春夏秋冬と、松の木位手入れに手数のかかる木は尠い。自然物入もかさむ。全くやっかい至極な放蕩息子だ。 が、しかし、先生が松を愛されなかった …