“放蕩”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうとう75.4%
はうたう11.4%
のら6.1%
ほうたう3.5%
あくたれ0.9%
どら0.9%
ばか0.9%
ふしだら0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
また放蕩ほうとうにふけっている者も同じことで、耽溺たんできしているあいだは『論語』をもっても『法華経ほけきょう』をもってもなかなか浮かびきれない。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
僕の如きも現にあざむかれて居た一人いちにんのだ、そりや君、酒は飲む放蕩はうたうはする、篠田の偽善程恐るべき者は無い、現に其のおほふべからざる明証の一は
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ほほと手を振りて『なんのそれに及びましよ。あれは私が、遁れぬ縁家の息子株。相応な身分の人でござんしたのなれど。放蕩のらが過ぎての勘当受け』
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
もともと利発の貴君様にその気づかひはあるまじきなれど、放蕩ほうたうものにでもお成りなされては取返しがつき申さず、今の分にて嬢さまと御祝言ごしうげん
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
そこで私共の放蕩あくたれ仲間が三四人申合わせてそのナメラを丸のままブツ切りにして味噌汁に打込んで一杯る事にしましたが、それでも最初はヤッパリ生命いのちが惜しいので
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
めえんとこの息子どんはおとなしくって仕合しやわせだが、おらのうち新太しんたの野郎なんざア、ハア放蕩どらべえぶって、川崎しゅくべえ往ってハア三日も四日も宅へ帰らねえで困るが
宿屋の親父は五平ごへいと云って、年五十九で、江戸を喰詰くいつめ、甲州あたりへ行って放蕩ばかをやった人間でございます。せがれは此の地で生立おいたった者ゆえ質朴なところがあります。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
失望の爲めに私は向う見ずになりました。私は浪費をやつた——放蕩ふしだらではない。放蕩ふしだらを私は憎んだし、今も憎んでゐます。それは私の西印度のメッサリナ(淫奔いんぽんな妻)の持前です。