“夙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つと47.7%
はや24.3%
と12.5%
とう5.0%
とっ2.2%
しゅく1.9%
とつく1.2%
ハヤ1.2%
とつ0.9%
とっく0.9%
かね0.6%
とく0.6%
っと0.3%
はよ0.3%
シユク0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吾人は進歩主義を奉じ、人道的に云為(うんゐ)し、西欧諸国の人士の下(もと)に立たざらんと欲するものにして、これ世人の夙(つと)に認むる所ならん。
わたくしは夙(はや)くから文学は糊口(ここう)の道でもなければ、また栄達の道でもないと思っていた。これは『小説作法』の中にもかいて置いた。
正宗谷崎両氏の批評に答う (新字新仮名) / 永井荷風(著)
夙(と)くに気がつくべかりしことを、今になってやっと気がついたのであった。彼は思わず指の腹をこすって、ぱちんという音をたて
私(わたくし)が三浦(みうら)へ嫁(とつ)いだ頃(ころ)は五十歳(さい)位(くらい)でもあったでしょうが、夙(とう)に女房(にょうぼう)に先立(さきだ)たれ、独身(どくしん)で立(た)ち働(はたら)いている、至(いた)って忠実(ちゅうじつ)な親爺(おやじ)さんでした。
とベタ一面に鉛筆を走らせた藁半紙(わらばんし)を署長の鼻先につきつけたのは、もう夙(とっ)くに帰ったものとばかり思っていたK新報社長の田熊だった。
人間灰 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その代りに守戸(しゅこ)というものが出来ました。これはもと良民で、所謂夙(しゅく)の名の由って起るところですが、これは改めて後に申し述べましょう。
「よろしゆおま。御膳の支度やつたら夙(とつく)に出來たるさかい、何時(なんどき)なりと上つとくんなれ。そやけどなあ、御ぜんが濟んだら早うにいんで貰ひまつせ。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
其大衆性の故でなく、大衆の間にもつと正しい判斷が抱懷せられてゐることを、どいるが最夙(ハヤ)くに示してゐたのであつた。
人間悪の創造 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「つまらないことを云つてゐる。然(しか)しそれなら君は何故結婚しないんだ。君の云ふやうだと夙(とつ)くに結婚してゐて好い筈ぢやないか。」
静物 (新字旧仮名) / 十一谷義三郎(著)
『万葉秀歌』はもう夙(とっく)についていなければならないのに、うちにゴロゴロしていて本当に御免下さい。
佐分利(さぶり)と甘糟は夙(かね)て横浜を主張してゐるのだ。何でもこの間遊仙窟(ゆうせんくつ)を見出して来たのだ。それで我々を引張つて行つて、大いに気焔(きえん)を吐く意(つもり)なのさ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一生懸命聞いて居た辰公、「うつや太鼓」から「己が姿」の件が夙(とく)に済んで「俺等(おら)が女房を賞めるじゃ無いが」
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
さればその画風の夙(っと)に北斎に倣ふ処ありて一種佶屈(きっくつ)なる筆法を用ひしもまた怪しむに足らず。余は芳年の錦絵にては歴史の人物よりも浮世絵固有の美人風俗画を取る。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一番鶏二番鶏を耳たしかに聞て朝も平日(つね)よりは夙(はよ)う起き、含嗽(うがひ)手水(てうづ)に見ぬ夢を洗つて熱茶一杯に酒の残り香を払ふ折しも、むく/\と起き上つたる清吉寝惚眼(ねぼれめ)をこすり/\怪訝顔してまごつくに
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
奈良では、「富み/\」と唱へて驅け歩く夙(シユク)の者の出たのが、大晦日である。たゝきと言ふ悲田院の者も、實は此夜門戸を叩いて唱へ言をして歩いたからであらう。