“掴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つか90.4%
つかま6.3%
つかみ1.2%
づか0.5%
つま0.5%
かく0.4%
にぎ0.4%
ツカ0.2%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
向柳原は縄張内で、平次も暮へかけて一と働きしましたが、こればかりは、雲をつかむようで、全く手の付けようがなかったのでした。
ここで按摩が殺す気だろう。構うもんか、勝手にしろ、似たものをひきつけて、とそう覚悟して按摩さん、背中へつかまってもらったんだ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ピシャリと、柿丘の頬に、まぬるいものが当ると、耳のうしろをかすめて、手帛ハンカチらしい一つかみほどのものがパッとひるがえって落ちた。
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それと気が付いたときにはあッとくず折れそうであったにかかわらず、それでもふみ耐えて、手近かな垂木たるきをわしづかみにすることが出来たのだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
順々に運ばれる皿数コーセスの最後に出た独活アスパラガスを、瑠璃子夫人がその白魚のやうな華奢な指先で、つまみ上げたとき、彼女は思ひ出したやうに美奈子に云つた。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
と、さきに一捷いっしょうかくした秀吉から、謙譲けんじょうを示したことが、まず非常に、会議の進捗しんちょくを円滑にしたのである。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
総支配人で店をにぎる人になったのですが——そのかない気性と、強いものがあるところへ、お母さんは江戸っですの。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
盗、畏震イシンシテ、速ヤカニアナヲ出デ、相顧ミテ、モノヲ云ワントスレバ、クチハ皆、ウルシニ閉ジラレテ開カズ、手ノ玉帯ヲ見レバ、各〻、怖ロシゲナル巨蛇キョダツカミテアリシト。
三国志:12 篇外余録 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其晩は鼻をまゝれる程の闇で、足許あしもとさへも覚束なかつた。丑松は先に立つて、提灯の光に夜路を照らし乍ら、山深く叔父を導いて行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)