にぎ)” の例文
総支配人で店をにぎる人になったのですが——そのかない気性と、強いものがあるところへ、お母さんは江戸っですの。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
銭さえ払えばいとして、船頭やい、船はどうする、と嘉吉が云いますと、ばら銭をにぎったこぶし向顱巻むかうはちまきの上さ突出して、半だ半だ、何、船だ。船だ船だ、と夢中でおります。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
兄喜三郎に頼まれて、井上流砲術の秘伝を盗む為に、二人の手先まで使って、あんな細工をしたに違いあるまい——己れ憎い女ッ、——井上半十郎思わず拳をにぎって起ち上りました。
江戸の火術 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
そしてそれを手ににぎりながら入口から中へ消えてしまった。