“利”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
き91.3%
り2.9%
きか1.0%
と0.8%
きき0.6%
きゝ0.6%
きい0.3%
よ0.3%
理0.3%
きく0.2%
きけ0.2%
くぼさ0.2%
こ0.2%
さ0.2%
するど0.2%
とが0.2%
とき0.2%
とし0.2%
もうけ0.2%
クブサ0.2%
ト0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
扉(ドア)に背を向けているのは若い院長の健策で、糊(のり)の利(き)いた診察服の前をはだけて、質素な黒羅紗(らしゃ)のチョッキと、ズボンを露わしている。
復讐 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
僕の友だちは僕のやうに年とつた小役人(こやくにん)の息子(むすこ)ばかりではない。が、誰も「利(り)いちやん」の言葉には驚嘆せずにはゐられなかつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
卯平(うへい)は其(そ)の薄暗(うすぐら)い家(うち)の中(なか)に只(たゞ)煙草(たばこ)を吹(ふ)かしては大(おほ)きな眞鍮(しんちう)の煙管(きせる)で火鉢(ひばち)を叩(たゝ)いて居(ゐ)た。卯平(うへい)と勘次(かんじ)とは其(そ)の間(あひだ)碌(ろく)に口(くち)も利(きか)なかつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もし誰かがこの子を何かからかいでもすれば、大人でもきっと口利(と)いしっぺ返しを覚悟しなければならないという鋭い頭の子で、去年の小春日和(びより)に、U子が
愉快な教室 (新字新仮名) / 佐藤春夫(著)
いや、むしろ直截(ちょくせつ)に云いましょう。だいたい装飾灯(シャンデリヤ)が再び点いた時に、左利(きき)であるべき貴方が何故、弓(キュー)を右に提琴(ヴァイオリン)を左に持っていたのですか
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
目科の細君が最(いと)賢き説を立てながらも其説の当らざりしは無理に非ず、後に至りて聞糺(きゝたゞ)せしに老人は全く左利(きゝ)なりしに相違なし
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
利(きい)たと思ったら物置の愚痴。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と云われて奥方は少しも御存じございませんから手燭(てしょく)を点(つ)けて殿様の処へ行って見ると、腕は冴(さ)え刃物は利(よ)し、サッという機(はずみ)に肩から乳の辺(あたり)まで斬込まれて居(い)る死骸を見て
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
... 近日京師の戦ニ出候人ニハ少々御出し被レ成、地利(理)など御見合可レ然と奉レ存候」私の船ハ夕方のしおに下り可レ申」何レ近日
イエ九助の正直(しやうぢき)なる事は村中の譽者にて誰知らぬ人も御座りませぬと云を理左衞門又汝(おの)れ口を利(きく)か糺明(きうめい)を云付るぞと威(おど)せば周藏は吃驚し老人の事故慄(ふる)へ居るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
叱(しか)る事は持前なれども表へ出ては口の利(きけ)る大屋に非ず殊(こと)に寄たら當人へ泄(もら)して迯(にが)すも知れざれば彦兵衞殿の家主八右衞門殿を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫れ大人(ひじり)の制(のり)を立つる、義(ことわり)必ず時に随ふ。苟(いやしく)も民に利(くぼさ)有らば、何ぞ聖造(ひじりのわざ)に妨(たが)はむ。且(ま)た当(まさ)に山林(やま)を披払(ひらきはら)ひ宮室(おほみや)を経営(をさめつく)りて、恭(つゝし)みて宝位(たかみくらゐ)に臨み、以て元元(おほみたから)を鎮むべし。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
猫婆どころか資(もと)も利(こ)もない。
孝「へい、良石和尚が申した通り、私(わたくし)の身の上は剣(つるぎ)の上を渡る様なもので、進むに利あり退くに利(さ)あらずと申しまして、良石和尚の言葉と聊(いさゝ)か違いはござりません」
しかるにギリシア、ローマには一方に蛇を兇物として蛇髪女鬼(ゴルゴー)、九頭大蛇(ヒドラ)等、諸怪を産出せる他の一方に、竜種(ドラゴンテス)を眼利(するど)く地下に住む守護神として崇敬せり。
それは黒と白と市松模様(いちまつもよう)の倭衣(しずり)を着た、容貌(ようぼう)の醜い一人の若者が、太い白檀木(しらまゆみ)の弓を握って、時々切って放す利(とが)り矢であった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
比隣(となり)のワラキア人はやはり翼と利(とき)爪(つめ)あり、焔と疫気を吐く動物としおる由を言い、件(くだん)の竜(ドラコン)てふ巨人に係る昔話を載す。
「利(とし)さん、ひょっとお前は——」サア来たと私は思った。
私の父 (新字新仮名) / 堺利彦(著)
肉屋の亭主に言わせると、牛は殆んど廃(すた)る部分が無い。頭蓋骨は肥料に売る。臓腑と角とは屠手の利(もうけ)に成る。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
利(クブサ)のみむさぼる国に、正しかる日嗣のゆゑを しめしたらなむ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
許されて 剣とり帯く民の長(ヲサ)。民はぐゝみに、ふるへ。利(ト)ごゝろ
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)