“正直”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しょうじき64.2%
しやうぢき12.4%
しやうじき4.4%
せいちょく3.6%
まさなお3.6%
しようじき2.2%
せうじき1.5%
しようぢき1.5%
まとも1.5%
しゃうぢき0.7%
せうぢき0.7%
ほんたう0.7%
まっすぐ0.7%
まっとう0.7%
まつたう0.7%
ショウジキ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おりおりまち生活せいかつもしたくなるが、うそといつわりでまるめているとおもうと、この正直しょうじきうみうえのほうが、どれほどいいかしれなくなる。
船の破片に残る話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
騙詐かたり世渡よわた上手じやうず正直しやうぢき無気力漢いくぢなし無法むはう活溌くわつぱつ謹直きんちよく愚図ぐづ泥亀すつぽんてんとんびふちをどる、さりとは不思議ふしぎづくめのなかぞかし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
しやれ某し是より直樣油屋へ踏込ふみこんで久兵衞とか云ふ奴を引捕ひつとらへて聞糺きゝたゞくれんとおびしめなほして立上りたり後藤は元來ぐわんらい仁心じんしんふか正直しやうじき正路しやうろの人なれば斯の如き事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
世界に存する貧の十分の九は懶惰より来ることを記憶せよ、また正直せいちょくなる仕事は如何に下等なる仕事といえども決してかろんずるなかれ
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
保は浜松表早馬町おもてはやうまちょう四十番地に一戸を構え、後またいくばくならずして元城内もとじょうない五十七番地に移った。浜松城はもと井上いのうえ河内守かわちのかみ正直まさなおの城である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ついでだからつてくが、わたくしはじこのふね乘組のりくんだときから一見いつけんしてこの船長せんちやうはどうも正直しようじき人物じんぶつではいとおもつてつたがはたしてしかり、かれいま
この大漁獲だいりようがあつたので、明日あすからは餓死うゑじに心配しんぱいはないとおもふと、人間にんげん正直せうじきなもので、そのゆめはいとやすく、あさ寢醒ねざめ何時いつになくむねおだやかであつた。
しもなんぢがそれに署名しよめいしなかつたとすれば』とつて王樣わうさまは、『尚々なほ/\わるい、なんぢ惡戯いたづら相違さうゐない、さもなければ正直しようぢき署名しよめいしてくべきはづだ』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
収賄、ごまかし、弱い者いじめ! 正直まともに浮世を暮らそうとすれば、窒息しなければならないだろう。俺も成りたいよ、聾者にな。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
下人 正直しゃうぢきなことをはっしゃる。御機嫌ごきげんようござらっしゃりませ!
小利口こりこうなるはるき性根せうねをやしなうてめんかぶりの大變たいへんものになるもあり、しやんとせし氣性きせうありて人間にんげんたち正直せうぢきなるは、すねもの部類ぶるいにまぎれて其身そのみれば生涯せうがいそんおもふべし
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
少しもひどい言ひ分ぢやありません、正直ほんたうのことです、——実直に働いてるものは家もなく食物もなく、監獄へ往つたり、餓死したり、鉄道往生したりして、利己主義の悪人が其の血をすつ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
旦那はあの通り正直まっすぐなお方だから、よし御隠居の方がわるいにもしろ、自分の仕打ちもよくなかったとそう思っていなさる様子でね。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
この戦国の世のさまでは、とうてい正直まっとうに暮していたら鼻の下の建立が覚束おぼつかないと、早くもそこへ目を付けて、詐欺いかさまのネタになるような、掘り出し物はあるまいかと
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何しろ見物がわつとけあ、いつの歳になつても面白うがすからな。まあそいつを楽しみにしてやつてゐるんです。わつしだつて他に正直まつたうな商売があるもんなら、やりたいのは山々なんですよ。
手品師 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
コレラ一万イチマン正直ショウジキ、シカモ、バカ、ウタガウコトサエラヌヨワヤサシキモノ、キミヲ畏敬イケイシ、キミノ五百枚ゴヒャクマイ精進ショウジンタマシイユルガゴトオドロキ、ハネキテ、兵古帯ヘコオビズルズルキズリナガラ書店ショテンケツケ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)