“拘”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かかわ45.5%
かか25.5%
かゝは9.7%
かゝ9.4%
こだわ3.1%
かかは2.0%
こだ2.0%
かゝわ1.1%
とら0.4%
こだは0.4%
かかずら0.2%
かかつら0.2%
かま0.2%
かゝづら0.2%
こう0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又そこに住んでいる人々も昔の様に多数の人々が住んでいるにかかわらず、十人の中わずかに二、三人しか見出す事が出来ない有様であって
現代語訳 方丈記 (新字新仮名) / 鴨長明(著)
両性の関係はかくの如く重つ大なるものあるにかかわらず、古来この問題が如何いかほど研究されたかというに、はなはだ怠られて来て居る。
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
此日このひ宗助そうすけかくもとおもつて電車でんしやつた。ところ日曜にちえう好天氣かうてんきにもかゝはらず、平常へいじやうよりは乘客じようきやくすくないのでれいになく乘心地のりごゝちかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わしも焼いてしまうべえと思ったが取ってありやすから、これを表向にすれば貴方あんたのお役にもかゝわるから、何にも云わずに帰って下せえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
歌よみは文法だの語格だの詠み方だのと、から威張に威張り、ひたこだわりに拘りて、無趣味なる陳腐なる歌のみを作りしにあらずや。
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
あのます紙鳶を買ふには、この十倍ものおあしが必要であるといふことを。しかし、それにもかかはらず、栄蔵の心には希望のぞみの泉がき出した。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
それが単にアラビヤの国名のみならば、まだしもそれに多くこだわることは滑稽かも知れない。兄は長々と呟いたではないか。
にもかゝわらず滋幹は、ひそかに敦忠の人柄に好感を抱き、蔭ながらその人の幸福を祈りつゝ、常にその行動を見守っていたのであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
記の此処こゝの文が妙にねぢれて居るので、清宮秀堅は、将門の妻は殺されたのでは無くて上総かづさとらはれたので、九月十日になつて弟のはかりごとによつて逃帰つたといふ事に読んでゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
この時姫の態度に心をつくるに、きのふ芝居にて思ひしとは、甚しき相違あり。その家にありてのさまは、世を面白く渡りて、物にこだはることなき尋常の少女なり。
あたかも感覚が鈍くなったようで、お政が顔をしかめたとて、舌鼓を鳴らしたとて、その時ばかり少し居辛いづらくおもうのみで、久しくそれにかかずらってはいられん。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かくして彼の心にかかつらふ事あれば、おのづから念頭を去らざる痛苦をもその間に忘るるを得べく、もとより彼はせいを知らずして邪を為し、を喜ばずしてを為すものにあらざれば
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
前の四頭よっつかまわねえから新宿の問屋場へほうり込んで、このから尻だけは今夜のうちに、江川の邸へ着けてえんだ、よろしく頼むぜ
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今までは瑣々さゝたる問題にも、極めて丁寧ていねいにいらへしつる余が、この頃より官長に寄する書にはしきりに法制の細目にかゝづらふべきにあらぬを論じて、一たび法の精神をだに得たらんには
舞姫 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その下部に横出せる枝にはとげあり。刺はすなわち小枝の短縮せるものにして多少逆向し人衣をこうして甚だ煩わし。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)