“刺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
41.8%
とげ32.3%
8.8%
ささ4.0%
はり2.7%
さし2.4%
そし1.3%
1.3%
1.0%
さゝ0.7%
0.7%
あざけ0.3%
いが0.3%
0.3%
つあ0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
ほり0.3%
ぼり0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふゆばんには、さむい、すような北風きたかぜが、用捨ようしゃなく、屋根やねうえきまくりました。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
みことは、それをもすかさず、階段かいだんの下に追いつめて、手早く背中せなかをひっつかみ、ずぶりとおしりをお突きしになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
丁度黄昏どきのわびしさの影のようにとぼとぼとした気持ちで体をはこんで来た、しきりにせいとげとか悲哀の感興とでもいう思いがみちていた。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ゆき子は、その言葉に、千万のとげを感じたが、さからはないやうにして黙つてゐた。加野は時々激しくせきをしながら、癖のやうに、頭を振つた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
張華の邸へ来ってを通じたところ、張はこれを鄭重に一間へ案内した。そして古今の経書詩文を論ずること、三日に及んだけれど、いつかな青年は屈しない。
支那の狸汁 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
吾輩は直ぐに西木家を出て程近い警察の横の斎藤家を訪うた。を通じて斎藤の後家さんに面会すると劈頭へきとう第一に質問をした。
無系統虎列剌 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ぞろぞろ下足の方へ立っていく客の群れの中から、こんな聞こえよがしの高ッ調子がまだ高座のまん中で手を突いたまんまでいる圓朝の耳へ鋭く痛くささってきた。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
天井から、釣鐘つりがねが、ガーンと落ちて、パイと白拍子が飛込む拍子に——御矢おんや咽喉のどささった。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
皆まで嘘でなかろう、虎が蝟に制せらるるは昨今聞かぬが豪猪やまあらしつとてそのはりに犯され致命傷を受くる事は近年も聞くところだ。
けだし露国の農民の信仰を代表する者にして、死も自然の者なれば、はり多き者としてにくまれはせで、極めて美くしき者とまで彼等の心には映るなり。
トルストイ伯 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
慚愧ざんぎあせそびらながれて後悔かうくわいねんむねさしつゝ、魔神ましんにや見入みいれられけん
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
一、要諌一条につき、事遂げざるときは鯖候とさしちがへて死し、警衛の者要蔽ようへいするときは切り払ふべきとのこと、実に吾がいはざるところなり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
想ふに茶山は鵬斎死期の近かるべきを聞いてゐて、妙々奇談中鵬斎をそしる段を読み、「気之毒」の情は一層の深きを加へたことであらう。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
その後しばらく、同じような事が処々で起った。かたいからせ炯々けいけいと眼を光らせた子路の姿が遠くから見え出すと、人々は孔子をそしる口をつぐむようになった。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
こう云って、涙にうるむ男の顔を横目で見ながら、かまわずって行った。また我慢づよい者がグッと胆を据えて、眉一つしかめず怺えて居ると、
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
亥太郎は少しも恐れないで「早くっておんねえ」などと云い、脊中に猪の刺青がってあり、悪々にく/\しいからぴしーり/\とちます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
——左右に命じて、やにわに、何濤かとうの両腕をとらえさせ、そのひたいに“○州へ流罪”と、一字空けの流人彫るにんぼりれさせたのだ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はしけやしうるはしき花の色と香にのある木とは思はれぬかな
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
ちよんぼりとあるうすまゆどうやらいたいけなつくりだけれども、鬼薊おにあざみはなかとばかりすら/\とびて、わる天窓あたまでもでてやつたらてのひらさゝりさうでとげ/\しい。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しまいに仲間同志の争いになりましたが、夫が見兼て此の娘はわしが貰ったと傍に有りました刀掛の脇差の小柄を取りまして投げ附けますと、其の娘の乳の辺へさゝりました、きゃっと云いましたからびっくりして机から落ちたとまでは覚えておりましたが
「この僕のは太るんじゃない、腫れ上がったのさ」と彼は答えた、「蜜蜂にられたもんでね。」
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
いや、奥様マダム。しかし情報は詳しく知っていますよ。私は警察の嘱託医として最初の検証にも立会いました。そのときは——あの兇行のあったへやが暗かったものですから——短刀で胸を一突きにられたのが致命傷ということだけ判ったのですが、屍体を屍体置場モルグへ運んでから、私が改めてしらべると、左の乳房の下に、可成り大きな一種の汚点しみを発見しました。
嘗てまのあた査列斯チヤアルス四世をあざけりて、徳の遺傳せざるをば、汝に於いてこれを見ると云ひき。
苧だまきを栗のたれはないがむすび日はへぬれども止まぬ雨かも
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
はな蜂や、蠅の死ぬのがあんなに早いので、蜘蛛が人間にだつて同じやうにおそろしい活きものゝやうに思つてはいけない。あの牙で人間の皮膚をきとほす事はまあ出来ないといつてもいゝ位六かしい事だ。大胆な研究者達は、自分達を我が国のいろんな蜘蛛に刺させた。
刄物はものもつつあしてもどう一である。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「——騒ぐのはおよしなさい。わたしの側には手頃な小刀こづかがありますからね、じたばたするとてのひらを窓板へ、うなぎの首をめるように、プツンと縫ってしまいますよ……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卯平うへいだらやりしてやんだ、いやれにや本當ほんたうられつとも、家族うち奴等やつらげなんざぐづ/\はあせねえだ
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
おやのげあせんのをしいなんち野郎やらうしたつてまをひらつとも、らだら立派りつぱてゝせらな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と云ったが、脊中の刺青がれましてしゝ滅茶めっちゃになりましたから、直ぐ帰りに刺青師ほりものしへ寄って熊にほりかえて貰い、これからくまの亥太郎と云われました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
達磨金だるまきんはぼかしぼりが得意と云われ、唐草権太は朱刺しゅぼりの名手と讃えられ、清吉は又奇警な構図と妖艶な線とで名を知られた。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)