“刺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
41.3%
とげ32.3%
8.4%
ささ3.7%
さし2.8%
はり2.5%
そし1.6%
1.2%
さゝ0.9%
0.9%
0.6%
0.6%
0.3%
ゑぐ0.3%
あざけ0.3%
いが0.3%
さす0.3%
つあ0.3%
0.3%
0.3%
ほり0.3%
ぼり0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眞新しい紅白の鈴ので縛り上げられた中年者の男が、二た突き三突き、匕首あひくちされて、見るも無慙むざんな死にやうをして居るのです。
グイミは杭実クイミ、すなわち換言すればとげの意である。すなわち刺枝ある樹になるのでグイミ、それが略されてグミとなったのである。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
を通じて家にはいると、三人警部と茶を飲んでおった主人は、目ざとく自分を認めた。僕がいうくやみの言葉などは耳にもはいらず。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
天井から、釣鐘つりがねが、ガーンと落ちて、パイと白拍子が飛込む拍子に——御矢おんや咽喉のどささった。(ずまいを直す)——ははッ、姫君。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
女の方は三十二三でとこから乗り出して子供を抱えようとした所を後方うしろからグサッと一さしに之も左肺を貫かれて死んでいる。
琥珀のパイプ (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
皆まで嘘でなかろう、虎が蝟に制せらるるは昨今聞かぬが豪猪やまあらしつとてそのはりに犯され致命傷を受くる事は近年も聞くところだ。
かたいからせ炯々けいけいと眼を光らせた子路の姿が遠くから見え出すと、人々は孔子をそしる口をつぐむようになった。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
矢立を差してるなら此処へ出しねえ………斯う十文字にして、てめえの根性は曲ってるからまた……斯う三角なものをって置いて遣る
夫が見兼て此の娘はわしが貰ったと傍に有りました刀掛の脇差の小柄を取りまして投げ附けますと、其の娘の乳の辺へさゝりました
文身いれずみひとつからだにきずをつけずに、今まで暮して来たのだ——長さんの名前だって、二の腕にれやあしなかった——だけど、ねえ、太夫、おめえの名なら
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
あの牙で人間の皮膚をきとほす事はまあ出来ないといつてもいゝ位六かしい事だ。大胆な研究者達は、自分達を我が国のいろんな蜘蛛に刺させた。
「この僕のは太るんじゃない、腫れ上がったのさ」と彼は答えた、「蜜蜂にられたもんでね。」
(新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おやのげあせんのをしいなんち野郎やらうしたつてまをひらつとも、らだら立派りつぱてゝせらな、卯平うへい確乎しつかりしろ、らだら勘次等かんじらぐれえなゝまたうんちあせらな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
てらゆきて見るに口中をゑぐられあけみて居りしかば是は大變々々といふこゑに親父の五兵衞も駈付かけつけて五郎藏が殺されたりとは夫れは如何いかゞせし事ぞと死骸を見てヤヽ是はと尻餠しりもち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
嘗てまのあた査列斯チヤアルス四世をあざけりて、徳の遺傳せざるをば、汝に於いてこれを見ると云ひき。羅馬と巴里とより、月桂冠を贈らんとせしとき、ペトラルカは敢てすなはち受けずして、三日の考試に應じき。
苧だまきを栗のたれはないがむすび日はへぬれども止まぬ雨かも
長塚節歌集:1 上 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
つぐる鐘耳元に響き渡り寒風かんぷう肌膚はだへさすが如く一しほ待遠まちどほく思ふに就我家の事を氣遣きづかもし母樣が御目を覺され此身の居らぬを尋ねはし給はぬか然共折角せつかく是迄來りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
刄物はものもつつあしてもどう一である。蛸壺たこつぼそこにはかならちひさなあな穿うがたれてある。しりからふつといきけるとたこおどろいてするとつぼからげる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「——騒ぐのはおよしなさい。わたしの側には手頃な小刀こづかがありますからね、じたばたするとてのひらを窓板へ、うなぎの首をめるように、プツンと縫ってしまいますよ……」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なあにれ、蜀黍もろこしつたときにや勘辨かんべんしめえとおもつたんだつけがお内儀かみさんにらツたから我慢がまんしたんだ、卯平うへいだらやりしてやんだ、いやれにや本當ほんたうられつとも
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
と云ったが、脊中の刺青がれましてしゝ滅茶めっちゃになりましたから、直ぐ帰りに刺青師ほりものしへ寄って熊にほりかえて貰い、これからくまの亥太郎と云われました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
刺青会で好評を博す刺青の多くは彼の手になったものであった。達磨金だるまきんはぼかしぼりが得意と云われ、唐草権太は朱刺しゅぼりの名手と讃えられ、清吉は又奇警な構図と妖艶な線とで名を知られた。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)