“ほり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ホリ
語句割合
54.7%
12.1%
8.4%
7.7%
捕吏5.0%
彫刻3.7%
1.3%
1.0%
文身0.7%
保利0.7%
0.7%
0.7%
埔里0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
掘夫0.3%
0.3%
0.3%
濠渠0.3%
穿0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんな民土のうたおこったのも、正に明智領になってからである。こよいもほりをこえ、狭間はざまをこえて、城下のうたが本丸まで聞えていた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほりという堀には水がいっぱいで、堀ばたにはフキの花がひらき、石壁いしかべの上にえている草のしげみは、つやつやとして褐色かっしょくになっています。
土堤の右手のほりのようなところから、鉄甲てつかぶとをかぶった水色羅紗の兵士が一人携帯電話機の受話器だけを持っておどり出し、大喝一声
いあんばいに、天人の彫りは無事で、げた箇所ところ波形なみがただけですが、その波形はほりでなくって、みんな、薄い板が組み合せてあるのです。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
そうして夫れは事が破れて、江戸は品川八ツ山下の御殿で、多くの捕吏ほり囲繞とりかこまれ、腹を掻っ切ったその時まで、彼の心を捉えたのである。
首頂戴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
金梨地きんなしじを見るような日光が、御縁、お窓のかたちなりに射しこんで、欄間らんま彫刻ほり金具かなぐあおい御紋ごもん、襖の引手に垂れ下がるむらさきの房、ゆら
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
拔手ぬきても見ずつかとほれと突立れば哀むべし天一は其儘そのまゝ其處へ倒れ伏ぬ天忠は仕遂しすましたりと法衣を脱捨ぬぎすてすそをからげ萬毒ばんどくの木の根をほりて天一が死骸しがい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その頃になりますと、この半年ほどやぐらを築いたりほりを掘ったりしてにらみ合いのていでおりました東西両陣は、京のぐるりでそろそろ動き出す気配を見せはじめます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
尾類ヂユリが紅いどくを文身ほりこむだらうよ
沈め (新字旧仮名) / 仲村渠(著)
大伴家持が、「病に臥して無常を悲しみ修道をほりして作れる歌」二首の一つである。「数なき」は、年齢の数の無いということ、年寿の幾何いくらもないこと、幾ばくも生きないことである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
石油を一杯詰めて城の中へ投げる。さうすると向ふへ行つてぽんと彈くです。それを持つて居りますし、それから石を入れる袋を持つて居ります。是れは城のほりを埋める時に用ゐます。
元時代の蒙古人 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
ころぶようにして漸くそこまで辿たどりつくと、吉村視学は蕃人蜂起のことをすぐに電話で埔里ほり郡役所に伝えた。事件が外部へつたわった第一報である。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
しかし、蕃人たちは既にそれよりさき、埔里ほり武徳殿や、付近の桜温泉の新築やに賦役ふえきを命じられている。引きつづいて新しい賦役が与えられたことに不満である。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
躑躅つつじヶ崎の信玄の館は文字通り館で城ではなかった。面積東西百五十六間。そうして南北は百六間。一丈ばかりの土手を巡らし一重のほりが掘られてある。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
曲輪を抜けほりを飛び越え、若い一人の侍が、森然しんと更けた町々を流星のように駈け抜けた時、折悪く道で邂逅いきあった人はどんなに驚いたか知れなかったであろう。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
と云ったが、脊中の刺青がれましてしゝ滅茶めっちゃになりましたから、直ぐ帰りに刺青師ほりものしへ寄って熊にほりかえて貰い、これからくまの亥太郎と云われました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
以前から派手なのが嫌ひで、まだ若いのにあまり年増づくりだなどと言はれたのであつたが、その好みは今でも変らないらしく、黒繻子の帯に素銅すあかの二疋鮎のほりのしてある帯留などをしてゐた。
時子 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
でなくてさえ強慾ごうよくな石見守は、私腹しふくをこやすためと家康のきげんをとるために、金坑掘夫ほりをやとって八方へ鉱脈こうみゃくをさぐらせる一方に、甲斐かい百姓ひゃくしょう町人ちょうにんから、ビシビシと苛税かぜいをしぼりあげて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はたは火焔のほりとなり
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
掏摸の指でつついても、倒れるような石垣や、蟻で崩れるほり穿って、河野の旗を立てていたって、はじまらねえ話じゃねえか。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三時過ぎ、うちに帰りけるが、後に聞く所によれば、此日、市ヶ谷見付へん濠渠ほりも、おびただしき釣客ちょうかくなりしとぞ。
東京市騒擾中の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
樹の下を、草を分けて参りますと、処々ところどころ窓のように山が切れて、其処そこから、松葉掻まつばかき、枝拾い、じねんじょ穿ほりが谷へさして通行する、下の村へ続いたみちのある処が、あっちこっちにいくらもございます。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その遥かな街道は、小山の中腹をほり開いたのであるから、やや見上げるようになっていた。
玉菜ぐるま (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)