“逃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
54.7%
のが30.0%
にげ4.8%
4.6%
にが2.8%
にぐ1.3%
0.6%
おと0.2%
かす0.2%
0.2%
ずら0.2%
0.2%
にげる0.2%
ふけ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おやすずめは、自分じぶんだけげようとせずすずめをかばうであろう。それがために、子供こどもがわりとなって、たれるかもしれない。
すずめを打つ (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、もう一こくもここにいるのが危険きけんになりましたときに、二人ふたり相談そうだんをして、どこか安全あんぜんなところへのがれることにいたしました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
火の中に尾はふたまたなる稀有けうの大ねこきばをならしはなをふきくわんを目がけてとらんとす。人々これを見て棺をすて、こけつまろびつにげまどふ。
しかし、長老の快川国師かいせんこくしは、故信玄こしんげんおんにかんじて、断乎だんことして、織田おだの要求をつっぱねたうえに、ひそかに三人をがしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿母さんも居ない留守るすに兄をにがして遣つては、んなに阿父さんからしかられるかも知れぬ。貢さんは躊躇ためらつて鼻洟はなみづすヽつた。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
思起すと、私はもう一足も其の方へちかづくのに堪へぬやうな氣がして、にぐるが如く東照宮の石段をのぼつて、杉の木立の中に迷ひ入つた。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「早く言やあ、右にも左にも、下にも、犯人のらかるところがねえとすりゃあ。上から飛んで逃げたにきまってらあな。」
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこを文次が、おとしてやる気でとっさに突き飛ばしたから、安兵衛、一枚繰った縁の戸から都合よく階下したの庭へころげ落ちた。いや、何とも大変な騒ぎ。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もう口じゃまどろっこしい、眼の廻る様な奴を鼻梁にがんとくれてかすんだのよ。何もさ、そう怒るがものは無えんだ。巡的だってあの大きな図体じゃ、飯もうんと食うだろうし、女もほしかろう。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
引きもどそうとする力、げこもうとする力、とうぜん、ベリッと黒衣こくいそでがほころびた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……そうと知ったら、仁義などをケッつけずに、サッサとばしてやるんだった。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
愕然びつくりしてむねさけるやう也しがにげるに道なく、とても命のきはなりしぬいきるも神仏にまかすべしと覚悟かくごをきはめ、いかに熊どのわしたきゞとりに来り谷へおちたるもの也、かへるには道がなくいきをるにはくひ物がなし
……ふけるならお前らだけで逃てくれ。おれは、この座敷を動かねえんだ
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)