“臀”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しり80.2%
いしき10.4%
ゐしき2.8%
いど1.9%
いさらい0.9%
けつ0.9%
ちり0.9%
でん0.9%
ゐさらひ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、正直のところ、肩の厚い、しりの大きい、胸のつき出た彼女の体には、その水のように柔かい地質が、あまり似合いませんでした。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
左右からつッついたりなにかいたします。左様そうされるとされるほど嬉しいもので、つッとちまして裲襠しかけつまをとるところを、うしろからいしきをたゝきます。
で、かたたれたまゝ、みぎびつこくろどのは、夫人ふじん白魚しらうをほそゆびに、ぶらりとかゝつて、ひとツ、トまへのめりにおよいだつけ、ゐしきゆすつたちんかたちで、けろりとしたもの、西瓜すゐくわをがぶり。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とうちゃんはえてはりますさかい、単衣ひとえのべべをお召しになると、おいどを切られまっせ」
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
チムール諸国使節を大饗するに馬のやきものの脚を去り、腰といさらいを最上饌とし切って十の金銀器に盛るとありて、その食いようを詳述す。
ちっとあなたのお耳へ入れては御心配でございましょうが、彼処あすこに寝て居りますのはわっちかゝあで、昨晩間違いが出来ましたと云うのは、湯の中でけつを撫でたとかお情所なさけどころうとかしたと云うので
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「見やしないけれど、着物の上からでも大概分るさ。先からちりだったけれど、この頃は又膨れて来たね」
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
マアガレットは湯槽の細くなっている方の底へ鼻を押しつけて、でん部を湯の上へ突き出して、ちょうど回教徒の礼拝のような恰好かっこうで死んでいた。
浴槽の花嫁 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ゐさらひのたゞ中にして三角の尻尾かはゆし油揚のごと
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)