“搏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
85.1%
たた2.8%
てうち2.1%
はた2.1%
はう1.4%
どや1.4%
0.7%
うた0.7%
たたか0.7%
たゝ0.7%
はばたき0.7%
ばく0.7%
ばた0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乱れ打つ急調なリズムは、宛然さながらつ白骨の音で、その間を縫う怪奇な旋律は、妖鬼の笑いと、鬼火の閃めきでなくて何んでしょう?
死の舞踏 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
土間に撒かれた麦をついばんで行くうちに、雄鳩は愕然として覚えず烈しく翼で地面をたたきながら低く数尺翔んだ。今いたのは何物であろう。
白い翼 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
お父様、昔猶太ユダヤのベトウリヤと云ふ都市が、ホロフェルネスと云ふ恐ろしい敵の猛将に、囲まれた時がありました。ホロフェルネスは、獅子をてうちにするやうな猛将でした。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
彼は一旦引っ返して、手松明てたいまつを用意して登ると、二階三階をゆく間は何事もなかったが、第四階までゆき着いた時に蝙蝠のような大きな鳥が音もなしに飛んで来て、不意に彼の手松明をはたき落とした。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
殊に詩人たらんものは、庭の花をも茨の實をも知り、天上の灝氣かうきにも下界の毒霧にもはうつ鳥をたくはへではかなはずといふ。我。かくの如く詩人を觀んは、卑きに過ぐるには非ずや。友。
乃公は「珍世界」の写真を三脚机テーブルの上に置いたが、もう少しでどやされる所だった。珍世界だけあって事が荒い。片岡さんは訴えるとか何とか言って憤っていた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
私をつのこそまだいゝけれど、大きな聲をして古宮に聞えたら大變だと、あの時は本當にハラ/\しましたつけ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
相むかふ今かうたんずつらがまへ丹田にして気合満ちたる
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
恐らく突かれ、斬られ、射たれ、たたかれ、絞められ、毒されるあらゆる死難よりも、どれだけ恐ろしくて、また安らかであるか。無量苦と無量喜。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
と、たか調しらべ荒鷲あらわしの、かぜたゝいてぶごとく、ひく調しらべ溪水たにみづの、いはかれてごとく、檣頭しやうとうはし印度洋インドやうかぜげんくだくるなみおとして、本艦々上ほんかんかんじやう暫時しばしなりまなかつた。
神のを空に鳴く金鶏きんけいの、つばさ五百里なるを一時にはばたきして、みなぎる雲を下界にひらく大虚の真中まんなかに、ほがらかに浮き出す万古ばんこの雪は、末広になだれて、八州のを圧する勢を、左右に展開しつつ、蒼茫そうぼううち
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
永楽亭えいらくてい楡木川ゆぼくせんほうを記する、鬼母きぼの一剣を受くとなし、又野史やしを引いて、永楽帝楡木川ゆぼくせんに至る、野獣の突至するにい、こればくす、かくされてたゞ半躯はんくあますのみ、れんしてしかして匠を殺す
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
法外な精神が、ある瞬間にはびくともせず静止し、次の瞬間には、残りなく羽ばたいた。年とって、再び彼女の美は、人々を征服した。再び彼女の魅惑力は、避け難く人々の反応を呼び起こした。