“ばく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:バク
語句割合
37.4%
26.5%
23.1%
4.1%
3.4%
2.0%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よそに心の乱れざりしは、外物をててかえりみぬほどの勇気ありしにあらず、ただ外物に恐れて自らわが手足をばくせしのみ。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
世間だの世評だのということは、はなはだばくとしたことで、ために一身を処するとか、あるいは思想を変えるとかする価値なきものと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
その目的はただ古人の確定してばくすべからざるの論説を駁し、世上に普通にして疑いを容るべからざるの習慣に疑いを容るるにあるのみ。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「この野郎、云うにこと欠いては組の若い者が全滅たあなんだ、ばくがおとといの夢を吐きゃあしめえし、途轍とてつもねえことをほざくと向うずねをかっ払うぞ」
初午試合討ち (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
おかみさんだって顔がまるでばくのようで、立派なばけものでしたが、小さくてしわくちゃなフクジロを見ては、もうすっかりおびえあがってしまったのでした。
「瀧山誠之進は、それをピタリと斷つた、そんな事で、ばく大な身上をわけて貰ふのも心苦しいし、お孃さんの氣もわからないのに、聟などは以ての外とね」
今や時勢一ぺんして舊規きうき墨守ぼくしゆす可らず、宜しく政けんを王室に還し、以て萬國竝立へいりつ基礎きそを建つべし。其れ則ち當今の急務きふむにして、而て容堂の至願しぐわんなり。ばく下のけんなる、必之をさつするあらんと。
永楽亭えいらくてい楡木川ゆぼくせんほうを記する、鬼母きぼの一剣を受くとなし、又野史やしを引いて、永楽帝楡木川ゆぼくせんに至る、野獣の突至するにい、こればくす、かくされてたゞ半躯はんくあますのみ、れんしてしかして匠を殺す
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
絶壁と緑樹が朝陽をさえぎって残りのやみが、地面を淡墨に漂う。だが、滝の岩頭には朝がきた。ばくは真っ白な飛沫をこまやかにちらして、大空を落下してくる。澄白と薄明の対照だ。
雪代山女魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
士気をましめるに役立っているばかりです。御軍勢一万八千が、甲府表を打立つときは、そのまま一ばくに、妻女山を揉みつぶし、一挙、越後領までも、ひた押しにせんず意気込みでした。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕王に説いて曰く、軍深く入りたり、暑雨連綿として、淮土わいど湿蒸に、疾疫しつえきようやく冒さんとす。小河の東は、平野にして牛羊多く、二ばくまさに熟せんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)