はう)” の例文
殊に詩人たらんものは、庭の花をも茨の實をも知り、天上の灝氣かうきにも下界の毒霧にもはうつ鳥をたくはへではかなはずといふ。我。かくの如く詩人を觀んは、卑きに過ぐるには非ずや。友。
ひらいたが、びはしない、で、ばさりと諸翼もろつばさはうつとひとしく、俯向うつむけにくびばして、あのながくちばしが、みづとゞくやいなや、小船こぶねがすら/\とうごきはじめて、おともなくいでる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あし枯葉かれはをぬら/\とあをぬめりのみづして、浮草うきぐさ樺色かばいろまじりに、船脚ふなあしころの、五位鷺ごゐさぎはうちやう。またひとしきりはげしくきふに、なめらかなおもみづひゞいて、鳴渡なりわたるばかりとつたが。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)