“泣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
80.9%
なき7.8%
ない2.5%
なく2.2%
なか2.0%
なみだ1.0%
1.0%
0.5%
いざ0.2%
0.2%
いさ0.2%
うた0.2%
なえ0.2%
なア0.2%
ねえ0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あはれ新婚しんこんしきげて、一年ひとゝせふすまあたゝかならず、戰地せんちむかつて出立いでたつたをりには、しのんでかなかつたのも、嬉涙うれしなみだれたのであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お雪さん、捨てられたの何のってなきつらをしながら、かたきを討って下さいなんて、飛んでもないところへ泣きつくなんぞは、女の面汚つらよごし。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
索搜たづね密々こつそり呼出よびだし千太郎に小夜衣よりの言傳ことづてくはしく語りおいらんは明てもくれても若旦那の事のみ云れて此頃はないてばつかり居らるゝを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あげ泣出なきいだすゆゑ越前守殿は言葉ことばしづかにコリヤ/\三吉最少もつと前へ出よ何も怕事こはいことはなしなくな/\サア/\好物いゝものを遣はさうと饅頭まんぢうを紙にのせて與へられ是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
阿仙おせんは一子の名なかすなの一語之が養育に心を用いん事を望むの意至れり、うまこやせの一句造次顛沛ぞうじてんぱいにも武を忘れざる勇士の志操こゝろづけ十分に見ゆ
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
ただ我が老いたる親ならび菴室あんしつに在り。我を待つこと日を過さば、自ら心をいたむる恨あらむ。我を望みて時にたがはば、必ずめいうしななみだを致さむ。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
葬式はかかアにたぬうで来た。もう死んどろ、死んどるかも知れん。わしはこの胸ん中が張り裂きゅごたる。先生、えたっちゃよかろ。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「そこでおつま召食めしあがる、む、これはうめえ。」と舌鼓、「餓鬼えめえよ。」と小児こどもにも与えて散々に喰散らす、しからぬことなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
犬烏あつまむ。天皇此のいざによぶ声を聞きて、心に悲傷いたみす。群卿にみことのりして曰く、それ生くるときにめぐみし所を以て亡者なきひとしたがはしむ。これ甚だいたきわざなり。それ古風といへども良からずば何ぞ従はむ。
本朝変態葬礼史 (新字新仮名) / 中山太郎(著)
そぎやんやあとつたてちや、どぎやんもなりやせんとだるけん、これからのこつば考へて、気ばふたうもつこツたい、ムツシユウのことなんぞ、早う忘れてしまうた方が悧巧もんばい。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
諸王、諸臣、及び天下の百姓、ことごと長老おきなは愛児を失ふがごとく、塩酢之昧あぢはひ口に在れどもめず、少幼者わかきめる父母かぞうしなふが如くて、いさつる声、行路みちに満てり、すなは耕夫たがやすものすきを止め、舂女つきめきおとせず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
「昨日の約束を忘れたのか。くだした船を東風こちに乗せて国へのぼらせようという目出度い祝儀に、盃が下ったまま上らないのは縁起が悪い。房次郎よ、うたうのはやめて、早く盃をのぼらせないのか」
重吉漂流紀聞 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ワア/\なえてる処へおらア旦那が通り掛り、飛んだことだが、みんな因縁だ、泣くなと、あにさんと云いあねさんと云いかゝさままでもそういうしにざまをするというのは約束事だから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
くろ帽子ぼうしなア
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「おつぎかねえでさあきて仕事しごとしろ、おとつゝあげはおれ謝罪あやまつてやつかんなあ、與吉よきちねえてら、さあつてさつせ」百姓ひやくしやうさらにおつぎをすかした。與吉よきちはおつぎの姿すがたえないのでしきりにんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
女房ニョウボウノヘソクリヌスンデ短銃タンジュウウガゴトキトキメキ、一読イチドク、ムセビイテ、三嘆サンタン、ワガクダラナクキタナカベアタマチツケタキオモイ、アア、キミ姿スガタノミ燦然サンゼンマワリノハナ石坂君イシザカクン
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
老年になってホタルく歌をよんだら、そろり新左が、螢が鳴いたということは天下にないとがんばって、すこしけんかめいて来たら、細川幽斎が