“出立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅったつ40.6%
いでた19.5%
いでたち14.1%
しゆつたつ9.4%
でたち3.1%
でた2.3%
でたて2.3%
いでだち1.6%
たた1.6%
しつたつ0.8%
0.8%
たちいで0.8%
たっ0.8%
たつ0.8%
たて0.8%
でだ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それなら善は急げというから、明日あしたにも出立しゅったつしよう。」と、言いました。そしてその晩は、みんなで色々出立の用意をいたしました。
三人兄弟 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
あはれ新婚しんこんしきげて、一年ひとゝせふすまあたゝかならず、戰地せんちむかつて出立いでたつたをりには、しのんでかなかつたのも、嬉涙うれしなみだれたのであつた。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うりに參らんといましちより受出して來たる衣服いふくならび省愼たしなみの大小をたいし立派なる出立いでたちに支度なして居たる處へ同じ長家に居る彼張子かのはりこ釣鐘つりがね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せしとて甚だ通なりかつ出立しゆつたつの時に曰く木曾海道美人に乏し和田峠西もちや村の餅屋に一人また洗馬せばに一人あり洗馬のはわれ未だ其比を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
昔、親鸞がこの寺に来て滞在しいよいよ帰ろうという日に、出立でたちの膳の箸を取って、御堂の庭にさしました。阿弥陀如来あみだにょらいの大慈大悲には、枯れた木も花が咲く。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
腹掛はらがけだけをヅタツと謂ったり(北飛騨きたひだから能登のと)、はかまだけをデンタツというところもあるが(秋田県)、元来は「出立でたち」だから、仕事着の全体を一括していうのが正しいのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それから東京とうきやう出立でたてにはめし非常ひじやううまいので、はらゑてすと、大抵たいてい宿屋やどやかなはない、三度々々さんど/\つちやどくだとやうことはなして、またみんなわらはした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ちょうど立派な風采だけをつけたようなもので、容貌風采、出立いでだちがよいのであります。その出立に日本人は眩惑げんわくされております。
じみなる着ものを俄の詮索、見苦しからず調ととのへていざとばかりその夕ぐれに浅木様を、出立たたせましたまひたる後は。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
同時に、自分のつとめてゐる銀行の、京坂地方のある支店詰になつた。代助は、出立しつたつの当時、新夫婦を新橋の停車場に送つて、愉快さうに、ぢき帰つて来給きたまへと平岡の手を握つた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
これからは会得したその術を実地に当たって試すばかりだ、それには漫遊が一番よい。諸国修行に越すものはない。常陸を出立たせるのはそのためじゃよ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
出立たちいでうかゞひ居たり此三人の中頭立かしらたちたる一人は甲州にて名高き惡漢わるもの韮崎にらさき出生しゆつしやうの雲切仁左衞門といふ者なり若年じやくねんころより心がうにして眞影流しんかげりう劔術けんじゆつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ヤ細川! 突如だしぬけ出発たったので驚いたろう、何急に東京を娘に見せたくなってのう。十日ばかりも居る積じゃったがしゃくさわることばかりだったから三日居て出立たっしまった。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お前が此家ここに居る内はの、太一は怒る、お前が泣く。どちらももつとももつともと聞いてはおれが堪まらぬじや。おれがせつぱを助けると、思ふてちやつと出立たつてくれ。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
持っていなければ困るだろうと思う。だから僕は父に頼んで来年の三月までの給料は全部僕が貰うことにした。だから四月早々は出立たてるだろうと思う
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
はげた茶の帽子に、藍縞あいじま尻切しりき出立でだちと、陽炎かげろうさえ燃やすべき櫛目くしめの通ったびんの色に、黒繻子くろじゅすのひかる奥から、ちらりと見せた帯上おびあげの、なまめかしさ。すべてが好画題こうがだいである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)