“剛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こわ34.6%
つよ17.8%
かた12.1%
ごう7.5%
こは7.5%
きつ4.7%
がう3.7%
3.7%
えら1.9%
こはば1.9%
かう0.9%
こわば0.9%
ごわ0.9%
つえ0.9%
ひど0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おもてこわくして言い切れば、勝太郎さすがは武士の子、あ、と答えて少しもためらうところなく、立つ川浪に身を躍らせて相果てた。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
そしてこの二つの芝草のつよさを仔細に調べてみたのだった。僕はそれを幾度も続けていった。その結果、遂に一つの結論に達した。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今後の男伊達だては決して威張いばり一方では用をなさぬ。内心かたくして外部にやわらかくなくてはならぬ。むかしの賢者も教えていわ
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
あの小城の一つ一つを、踏みつぶしているのは厄介ですが、神吉城の神吉長則かんきながのり、高砂城の梶原景行かじわらかげゆきなど、なかなかごうの者です。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さやうでございますよ、年紀としごろ四十ばかりの蒙茸むしやくしや髭髯ひげえた、身材せいの高い、こはい顔の、まるで壮士みたやうな風体ふうていをしておいででした」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
○「小声でやってくだせえ、みんなそらっぺえばなしで面白くねえ、旦那が武者修行をした時の、蟒蛇うわばみ退治たいじたとか何とかいうきついのを聞きたいね」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
迷の羈絆きづな目に見えねば、勇士の刃も切らんにすべなく、あはれや、鬼もひしがんず六波羅一のがうもの何時いつにか戀のやつことなりすましぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
と一等運転手がヨロケながら独言ひとりごとのように云った。蒼白あおじろい、わばった顔をして……俺は強く咳払せきばらいをした。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
女の事だから連て来て少しおどし附ればベラベラと皆白状する、うだえらい者だろう(大)実に恐入ったナア、けどが其宿は何所に在るのだ築地の何所いらに
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
『アハハハ。ぢや此次にしませう、此次に。此次には屹度ですよ、屹度かけまよ。』と変にこはばつた声で云つて、物凄く「アツハハ。」と笑つたが
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
十二年には八男かうらうが生れた。家譜に「文政己丑十一月七日生、幼名浅岡益寿贈ところ」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
咽喉から手が出る程欲しい金を——断らなくてはならなかった、彼等は頬を不自然にこわばらせ、お金からそっと目を外らせた。
鋳物工場 (新字新仮名) / 戸田豊子(著)
「ちと今夜ののは手ごわいと見える」肘枕をしている武士なのであったが、こういうと荒淫の女の唇を、連想させるに足るような赤い薄手の受け口めいた唇を、いよいよ上へそらすようにした。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
灰が眼に這入はえって、是アおいないと騒ぐ所へ按摩取が一人で二人の泥坊を押えて、到頭町の奉行所へ突出つきだしたと云うのだが、何とつえい按摩取じゃアないか、是でおめえ旦那も助かり、忰も助かったゞ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と受けましたがひどい奴で、中指と無名指くすりゆびの間をすっと貫かれたが、其の掌で槍の柄を捕まえて、ぐッと全身の力で引きました。前次公はよろめいて前へ膝を突く処を、權六が血だらけの手でおさえ付け
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)