“東京”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうきやう31.7%
とうきょう28.9%
とうけい6.3%
こちら4.9%
こっち4.9%
とうきよう4.2%
トンキン3.5%
とうけう2.8%
こゝ2.1%
こつち2.1%
ここ1.4%
あっち1.4%
あちら0.7%
あつち0.7%
あづま0.7%
とうけふ0.7%
ふるさと0.7%
みやこ0.7%
トウキョウ0.7%
トウケイ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
土地とちにて、いなだは生魚なまうをにあらず、ぶりひらきたるものなり。夏中なつぢういゝ下物さかなぼん贈答ぞうたふもちふること東京とうきやうけるお歳暮せいぼさけごとし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
はなが、東京とうきょう奉公ほうこうにくるときに、ねえさんはなにをいもうとってやろうかとかんがえました。二人ふたりとおはなれてしまわなければなりません。
赤いえり巻き (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたくしたちは、もと開封かいほう東京とうけいの者でございますが、重い税にくるしめられて、商売もなりたたず、この渭州いしゅう流離さすろうてまいりました。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それも去年わたし共は東京こちらに來た時一度知らしたままでまだ郷里くにの方にはこちらに轉居したことを知らしてやらなかつたものですから
一家 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
「まあ、人様のもので、義理をするんだよ、こんな呑気のんきッちゃありやしない。串戯じょうだんはよして、謹さん、東京こっちは炭が高いんですってね。」
女客 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
明治十二年めいじじゆうにねんふね横濱よこはまきまして、そのころ出來できてゐました汽車きしや東京とうきよう途中とちゆう汽車きしやまどからそこらへん風景ふうけいながめてをりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
東京トンキンから持つて来た罌粟けしの種子を死骸で肥えた墓地に植ゑて見ると思ひの外に成績がよくてその特徴を発揮させることが出来た。
鴉片 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「いや、いつもはいたつてさびしい」東京とうけうへくればいつでも此処ここ宿泊しゆくはくすることにしてゐるM、Hこたへた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
勝沼の町とても東京こゝにての場末ぞかし、甲府は流石に大厦たいか高樓、躑躅つゝじが崎の城跡など見る處のありとは言へど、汽車の便りよき頃にならば知らず、こと更の馬車腕車くるまに一晝夜をゆられて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
春三郎は其を見て嘗て文太郎が東京こつちに來た時分自分と一緒に牛肉屋へ上つた時此と同じやうなコローム版の額を見て
勝沼かつぬまの町とても東京ここにての場末ぞかし、甲府はさすがに大厦たいか高楼、躑躅つつじさきの城跡など見るところのありとは言へど、汽車の便りよき頃にならば知らず、こと更の馬車腕車くるまに一昼夜をゆられて
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「佐野さん、あなたの写真の評判が東京あっちで大変なんですって」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
どうぞ御身おみを大事に遊ばして、必ず気をながくお持ち遊ばして、ね、決して短気をお出しなさらぬように——御気分のいい時分ときはこのほんをごらん遊ばして——私は東京あちらに帰りましても
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
司は素人になつても美しいだらう。しやぐまと丸髷とどちらがよく似合ふ? 兎に角こゝいらでまごついてゐるのはよせよ。早く東京あつちへ歸つたらどうか。丁度商館の方に人が入用なんだ。
俳諧師 (旧字旧仮名) / 高浜虚子(著)
訝り集ふ人々の、贔負心に冷笑あざわらふ、これも名残の一ツなると。お心強くも背後に聞きなしたまひて、我を東京あづまへ携へ出でたまひたるは、我七ツのほどの事なりき。
葛のうら葉 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
銀座の大通おほどうりに空家あきやを見るは、帝都ていと体面たいめんに関すと被説候人有之候とかれそろひとこれありそろへども、これは今更いまさらの事にそろはず、東京とうけふひらけて銀座の大通おほどほりのごと
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
東京ふるさとの寄席の灯遠き夜長かな
寄席風流 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
汝ほどの學識ものしりは廣き東京みやこくほどにて、塵塚の隅にもごろごろと有るべし、いづれも立身出世の望みを持たぬはなく、各自めい/\ことはかはりて、出世の向きも種々さま/″\なるべけれど
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
トリツク怒濤ドトウジツタノシキ小波サザナミ、スベテ、コレ、ワガイノチ、シバラクモビテミタイ下心シタゴコロ所為ショイ東京トウキョウノオリンピックテカラニタイ、読者ドクシャソウカトカルクウナズキ、フカキトガメダテ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ココニ、今年七月十五日ノ生辰ショウシンヲ期シ、又モ十万貫ノ不義ノ財貨ヲヒソカニ都門東京トウケイヘ輸送セントス。天冥テンミョウアニコノ不義ヲ許スベケンヤ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)