“冷笑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あざわら46.7%
れいしょう8.3%
わら6.7%
ひやか6.7%
れいせう5.0%
ひや4.2%
ひやかし3.3%
せせらわら2.5%
せゝらわら2.5%
あざわらい2.5%
あざわらひ2.5%
あざ1.7%
ひやかさ1.7%
れいしよう1.7%
あざけり0.8%
せゝわら0.8%
ひやかしわらひ0.8%
ひやわらひ0.8%
わらっ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
衣服きものを剥がれたので痩肱やせひじこぶを立てているかきこずえには冷笑あざわらい顔の月が掛かり、青白くえわたッた地面には小枝さえだの影が破隙われめを作る。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
「おちぶれてもおどっているなんて、のんきなものですね。」と、こちらのすみで、すずりと筆立ふでたてが、あちらの人形にんぎょう冷笑れいしょうしていました。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
『そういうお前は、言葉のうらで、良人のおれが、こうして無策むさくな顔しているのを冷笑わらっているのであろうが』
死んだ千鳥 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よう、よう、畜生ッ!」と皆が冷笑ひやかした。すると野田は真赤になって狼狽しながら、憐れな恰好で岩佐に救いを求めたのだ。
お菜のない弁当 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
をどりながら周圍しうゐつて村落むら女等をんならつゝうて勘次かんじ容子ようすてはくすくすとひそか冷笑れいせうあびけるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
先にはこの男を、半端な悪玉と冷笑ひやかした伊兵衛も、冷静な思慮になると、やはり幾つでも年の上な馬春堂に、一ちゅうさないわけにまいりますまい。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ラ・フォンテーヌの物語にあるからす(コルボー)ときつね(ルナール)との名前である。いかにも法曹界ほうそうかい冷笑ひやかしの種となるに適していた。
それと共に、みだりに自分でこしらえたこの一場いちじょうの架空劇をよそ目に見て、その荒誕こうたん冷笑せせらわらう理智の力が、もう彼の中心に働らいていた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「やい亀井、何しおる? 何ぢや、懸賞小説ぢや——ふッふッ、」とも馬鹿にしたやうに冷笑せゝらわらつたはズングリと肥つた二十四五のひげ毿くしや々の書生で
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
眼引き袖引き後指うしろゆびさす人々の冷笑あざわらい他所よそに、家々の門口に立って、小唄を唄うよりほかに生きて行く道がなくなっている有様であった。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
徃時むかしは人朕が光明ひかりを奪ひて、われ泥犂ないりの闇に陥しぬ、今は朕人を涙に沈ましめて、朕が冷笑あざわらひの一声の響の下に葬らんとす、おもひ観よ汝、漸く見ゆる世の乱は誰が為すこととぞ汝はおもふ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
お秀の兄を冷笑あざけるような調子が、すぐ津田の次の言葉をおこした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
友達に冷笑ひやかされる羞かしさ、家へ帰つて何と言つたものだらうといふ様な事を、子供心に考へると、小さい胸は一図に迫つて、涙が留度もなく溢れる。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なんゆへきはめて正直せうじきなるこゝろもつて、きはめて愛情あいじようにひかさるべき性情せいじようしかしてはゝいもと愛情あいじよう冷笑れいしようするにいたりしや
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
……そして、この乞食に憐みを投げて呉れる一人の女が、自分に冷笑あざけりを見せて離れて行くのが見え透いてゐるやうで、云ひやうのない寂しさを覺えた。
仮面 (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
忘れて云ひつのりけるを段右衞門はなほ冷笑せゝわらひイヤ/\此阿魔あま幾何いくらめん大王鬼だいわうきに成ても此身に覺えの無事は然樣さうだなどゝは云れぬ者よフヽンとはなであしらうを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
冷笑ひやかしわらひによく似た音立て、大腿骨こしのおほぼねギシギシ軋らす
こえなきむくろひとだかり、もだ冷笑ひやわらひ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それでも執拗しつこくせがむので、おれはその声が癪にさわって来た。彼女はいかにも腹立たしそうな物のいい方をして、おれの不精を皮肉ったり、冷笑わらったり、軽蔑して肩をゆすぶったりした。
ピストルの蠱惑 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)