“鰤”の読み方と例文
読み方割合
ぶり100.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
——東京の(若衆)に当る、土地では(小桜)……と云うらしいが浅葱桜あさぎざくらで、萌黄もえぎ薄藍うすあいを流したぶりの若旦那。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
主な収入はぶりであって、冬の二月ごろ、一網に一万尾も二万尾もはいることがあり、それで殆ど一年間の収益があげられるという話であった。
大謀網 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
政「ぬるいからおあがり、お夜食は未だゞろうね、大澤おおさわさんから戴いたぶりが味噌漬にしてあるから、それで一膳おたべよ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
風変りな俊寛は、鬼界ヶ島で鬼と化した謡曲文学の観念を吹きはらって、勇壮にぶり釣りを行い、耕作を行い、土人の娘を妻として子供を五人生み、有王を驚殺するのである。
お杉はそうしてしばらく、あれやこれやと物思いにふけっているうちに、今日は少し早い目から、客を捜しに街へ出ようと思った。それに、一度何より日本のぶりが食べてみたい。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
ぶりの切り身より塩鮭のほうが高価ときては、この点の頭の切り換えだけが、いまだにどうしても私にはつかない。
わが寄席青春録 (新字新仮名) / 正岡容(著)
帰りは早い。ついさつきのまゆみの下あたりに来る頃には、麓の板橋から早川の漁村へかけて、あかりがちかちかと輝き出す。沖のぶり船にも灯が点る。かうして目が喜ぶ、目が喜ぶ。
蜜柑山散策 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
紀州の沖や土佐の沖ぢや、一網に何萬とぼらが入つたのぶりが捕れたのと云ふけれど、この邊の内海ぢや魚の種が年々盡きるばかりだから、次第に村同士で漁場の悶着が激しうなるんぢや。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)