“鰺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あじ75.0%
あぢ25.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
竹村がへっついをもやし、素子が土間の七輪であじのひとしおを焼き、伸子がざるに入っている茶碗を並べて、むき出しの電燈の下で夕飯がはじまった。
二つの庭 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それから一般には春の乗込み鮒、鯉、やがて初夏のキス、真夏のあじ、秋のボラ、アナゴ、秋には又紅葉鮒とも云つて洒落たものとしてゐた。
日本の釣技 (新字旧仮名) / 佐藤惣之助(著)
たとえば津軽つがるあじさわの柱かつぎ、筑前ちくぜん博多のセンザイロウなどはまだ子どもの管轄に属している。
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
もし手前の坂の左側にある小さい魚屋の店先に閃めく、青いあじやもっと青いさばがなかったら加奈子は夢を踏んでその向う坂の書割の中に靴を踏み込めたかも知れない。
豆腐買い (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
あじむつの肉で、若鮎を釣るのを見たのも、小田原の山王川の上流であった。それは、明治の末年であったろう。
石亀のこと (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
一時中学の書記となり、自炊生活を営みし時、「夕月ゆふづきあぢ買ふ書記の細さかな」とみづか病躯びやうくあざけりしことあり。
学校友だち (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
日本橋にほんばし砂糖問屋さたうどんや令孃れいぢやうが、圓髷まるまげつて、あなたや……あぢしんぎれと、夜行やかうさけをしへたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此時このときうれしさ! ると一しやくぐらいのあぢで、巨大きよだいなる魚群ぎよぐんはれたために、偶然ぐうぜんにも艇中ていちう飛込とびこんだのである。
おかみさんが茶ぶ臺の上に並べるものを見ると、あぢの鹽燒。
羊羹 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
橙。これは食用である。濱にあがつたあぢの三杯など。
たべものの木 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)