“いさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イサ
語句割合
56.9%
27.7%
4.4%
3.5%
1.6%
伊三1.3%
1.3%
0.9%
不知0.3%
伊佐0.3%
勢逞0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「勝負事もいいけれど、あの連中は腹を合わせて何をするかも知れやしないから、ここでるのは不利益ですよ。」といさめてみるが
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
いさみに勇む第十三潜水戦隊は、その日から船脚ふなあしに鞭うって、東南東の海面へ進撃してゆきました、いよいよ×国は近くなる一方です。
太平洋雷撃戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お母様の讐敵かたきを取りたい……義理のお父様の隠れ遊びをおいさめになりたいばっかりに、私の頼みを無条件で引き受けて下すったのです。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これほど生活は一変していても、日々の儀礼や感じ方にはいささかの変化も見えなかった。人もそれに不審を抱かず、各自もそれを当然としているのであろう。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
都のお勤めからは手前もいよいよ身を引潮のいさり歌と云うわけで、……何となくすずろな憂身うきみをやつしておりました最中だったもんで、何と申しますか
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
伊三いさどん、大変な道だろう。さアお上り。」水口みずぐちの障子を明けたかみさんは男の肩へ手をやって
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私が、自分から「親友」などと呼びかけるのは、いささかキザだけれど、でも、彼には、あの変屈な金持黒住箒吉には、友だちというものは、この私一人しかいない筈なのだ。
蝕眠譜 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
一死をいさぎよくしようと思っている連中ばかりなので、到頭不利な戦争をやりとげたものであろう。
大阪夏之陣 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
せなんほどべに不知いさ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
朱雀すじやくの野べの秋は不知いさ
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
信政の妻大久保氏伊佐いさは又貞光ていくわうの名がある。按ずるに晩年剃髪した後の称であらう。伊佐は享和三年七月二十八日に歿した。法諡を寿山院湖月貞輝大姉と云ふ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
信政は幕府の菓子師大久保主水元苗もんどもとたねむすめ伊佐いさめとつた。菓子師大久保主水は徳川家の世臣せいしん大久保氏の支流である。しかし大久保氏の家世は諸書記載を異にしてゐて、今にはかに論定し難い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ひょっとすると、彼の通俗な魂は勢逞いさましいだけに、智子が自分の大切にしている一つの性情を、幸福の形で圧しつぶしてしまいそうに思われた。
明暗 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
汝、卑怯者! 愚痴漢! 何故にいさぎよくその人生を清算し、汝を處決してしまはないのか。汝は何事をも爲し得ないのだ。
宿命 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
が彼はそういう毒舌をあまりきいたので、ついに自分の地位を失った。かくて妻子をつれて街頭にパンに窮したのである。司教は彼をよんで、穏かにいさめ、そして大会堂の門番に任じたのであった。
諸王、諸臣、及び天下の百姓、ことごと長老おきなは愛児を失ふがごとく、塩酢之昧あぢはひ口に在れどもめず、少幼者わかきめる父母かぞうしなふが如くて、いさつる声、行路みちに満てり、すなは耕夫たがやすものすきを止め、舂女つきめきおとせず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
商「エーイ主人がね此方こっひえようとすう、てもえ此方ほっひけようとする時にほろがりまして、主人の頭とうわしの頭とぼつかりました処が、石頭ゆいあさまいさかった事、アハアしべてえや」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
猿之助は帰ったあとで、尺八の方の人が残っていたが、それも帰ると、浜子の芸術を冒涜ぼうとくするということを、彼女は雄弁に泣いていさめた。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)