“いまし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イマシ
語句割合
29.3%
22.2%
19.4%
18.9%
3.7%
1.3%
1.1%
0.7%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
規正0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一喝いっかつして首筋をつかみたる様子にて、じょうの内外一方ひとかたならず騒擾そうじょうし、表門警護の看守巡査は、いずれも抜剣ばっけんにて非常をいましめしほどなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
また一匹ひとつはその腕にからみてはじめの如く彼をいましめ、かつ身をかたくその前に結びて彼にすこしも之を動かすをゆるさゞりき 七—九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
別れる際に南日君から呉呉くれぐれも血気の勇にはやって冒険してはいけないといましめられたので、すっかり子供に返って何だか悲しいような気がした。
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
其を考へる度に、亡くなつた父が丑松の胸中に復活いきかへるのである。急に其時、心の底の方で声がして、丑松を呼びいましめるやうに聞えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
酔つて疲れて私の瞼はイラ痒いとは云へ、人よいましがそのやうなことを気にするのであれば、あゝ、それは世間をばかり心の中に相手として置いてゐるからだ。
そのほか一切の男子の者を構へて近づくる事なかれと固くいましめて立ち去り給ひぬ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
けれど十万の大退口おおのきぐちを、どうとるか、由来、前進はやすく、後退は難しい、と兵家もいましめている。——まちがえば、全軍殲滅せんめつの憂き目に遭う。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海もいましもひとしなみ、不思議をつゝむ陰なりや。
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
しかし局に対することがまれであった。これは自らいましめてふけらざらんことを欲したのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
『これまで、貴殿のいましめを用いなかったは、わが生涯の誤りであった。いまから、諫めをきっと守るであろう』
酒渇記 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
この祖母のいましめを服用していたならば、秋風寒しなんて、しなびはしないであろうに——祖母は十九で自己を建設のために遠く出て来た人、私は時代の激しい潮流に押流された江戸人の、残物の
これは何故なにゆえともなしに、闇のうちに棠の姿が見えはせぬかと待たれたのだそうである。抽斎は気遣きづかって、「五百、お前にも似ないじゃないか、少ししっかりしないか」といましめた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
かくては「言を規正いまし」むるにとどまって、ヨブ自身を規正いましむる事は少しも出来ないのである。これいわゆるオルソドクシー(正統派)の取る態度である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
二十六節には「汝らはことば規正いましめんと思うや、のぞみの絶えたる者の語る所は風の如きなり」とある。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
(——時に、ここでいまし聞いたのが、綺麗な扇を持った⦅……友だちだから特に讃して言おう⦆白い手とともに舞台から消えた、橘八郎の最初の消息であった——)
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いましふ所の如くば、の勝たむこと必ずしからむ。こころねがふは、十年百姓をつかはず、一身の故を以て、万民おほむたからわづらはしいたはらしめむや。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
傍邊かたはらより弟彦四郎是も漸く十二歳なるが進出すゝみいでわたしも參り兄と一所に委細ゐさい聞糺きゝたゞし母樣の御心をなぐさめんと申せば母は兄弟の孝心かうしんを喜び父樣が世にいまして此事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すぐに女子は猿轡といましめの縄とを解きすてられた。御嶽冠者はつくづくと女子の様子を見守ったが、武者之助の方へ眼をやって
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
山と自分とにいましつてゐる深い交渉を、又くり返し考へはじめたのである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
岡崎十次郎、と通り世間並のいましめはしましたが、そんな生温なまぬるいことで、諦める忠弘では無かったのです。