“なき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
53.3%
11.7%
11.7%
6.7%
6.7%
5.0%
3.3%
1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
〽一日逢わねば、千日の思いにわたしゃ煩うて、針や薬のしるしさえ、なきの涙に紙濡らし、枕を結ぶ夢さめて、いとど思いのますかがみ。
湯島の境内 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いと哀れなることに聞きしを、一六二此のなき人の心は昔の手児女が一六三をさなき心に一六四幾らをかまさりて悲しかりけんと、かたるかたる涙さしぐみてとどめかぬるぞ
物のわけをもしらぬ者ども、小肘こひぢつかんで引立ひつたて、車一両に二三人づゝ引のせ奉るさへに、若君姫君の御事さま、さても/\といはぬ者なく、其身の事は不申、見物の貴賤もどつなき
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
友達ともだちいやしがりて萬年町まんねんちやう呼名よびないまのこれども、三五らうといへば滑稽者おどけもの承知しやうちしてくむものなききも一とくなりし、田中屋たなかやいのちつな親子おやこかうむる御恩ごおんすくなからず
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
怪しき声してなき狂ひ、かどを守ることだにせざれば、物の用にもたたぬなれど、主人は事の由来おこりを知れば、不憫さいとど増さりつつ、心を籠めて介抱なせど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
それ故にこそは母のねむりをもおどろかしたてまつれ。只々ゆるし給へと潸然さめざめなき入るを、老母いふ。一一〇牢裏らうりつながるる人は夢にもゆるさるるを見え、かつするものは夢に漿水しやうすゐを飲むといへり。
されば人はつね神仏かみほとけ信心しん/″\して悪事あくじ災難さいなんまぬかれん事をいのるべし。神仏かみほとけしんずる心のうちより悪心はいでぬもの也。悪心のなき災難さいなんをのがるゝ第一也とをしへられき。今もなほみゝに残れり。
ほつすればなすことなきしくなし人のきくことなきほつすれば言ことなきしくなしとむべなるかな嗚呼あゝ謹愼つゝしまずんば有べからず。
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さし大膽無敵だいたんふてき惡賊あくぞくにして大岡殿勤役きんやく中四五の裁許さいきよなりと世に云つたふると雖も長庵が白状はくじやうときに至り證據人忠兵衞をうらむこと卑怯ひけふ未練みれん小賊せうぞくなり古語こごに人の知ることなき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)