“なみだ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナミダ
語句割合
62.0%
29.0%
4.2%
波立2.7%
0.8%
暗涙0.4%
浪立0.4%
涙珠0.4%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さあぼっちゃん。きっとこいつははなします。早くなみだをおふきなさい。まるで顔中ぐじゃぐじゃだ。そらええああすっかりさっぱりした。
黄いろのトマト (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
生残た妻子の愁傷は実に比喩たとえを取るに言葉もなくばかり、「嗟矣ああ幾程いくら歎いても仕方がない」トいう口の下からツイそでに置くはなみだの露
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
つねなんともおもはぬ島田しまだがめ今日けふばかりはづかしいとゆふぐれのかゞみまへなみだくむもあるべし、きくのおりきとても惡魔あくまうまがはりにはあるまじ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はやしは、かぜのために波立なみだっていました。からすはぶように、そらくろく、きさわいでいました。そして、は、だんだんとれかかっていたのです。
高い木と子供の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
平和家なみだを啜つて曰く、往昔むかしの日本は実に無量の罪悪を犯せり、われ幸にして、当時貴邦に遊ばず、若し遊びしならば、我は為に懊悩して死せしならむと。
想断々(1) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
お貞がこの衷情ちゅうじょうに、少年はいたく動かされつ。思わず暗涙なみだを催したり。
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ラップは真面目まじめにこう言いながら、しかも太い腹だけはおかしそうに絶えず浪立なみだたせていました。が、僕は笑うどころか、あわててある河童かっぱをつかまえようとしました。
河童 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
舌よりも真実を語る涙をば溢らす眼に、返辞せぬ夫の方を気遣ひて、見れば男は露一厘身動きなさず無言にて思案の頭重くれ、ぽろり/\と膝の上に散らす涙珠なみだちて声あり。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
顧うにその弟子が、彼が骨冷なる後に至るまで、なおなみだを垂れて松陰先生を説くもの、にその故なしとんや。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)