“わい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ワイ
語句割合
44.0%
10.0%
8.0%
発生8.0%
4.0%
4.0%
4.0%
2.0%
和怡2.0%
和易2.0%
2.0%
2.0%
沸騰2.0%
2.0%
2.0%
2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愈々いよいよこれは役所だわい。まさか警察ではあるめえな。浮浪人が警察署へ飛び込むなんて余り気の利いた図じゃねえ」
人間製造 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
私は近頃発禁になったという「猟奇」だの「でかめろん」だの「赤と黒」だの「りべらる」を読む人々が、健全にして上品なる人士よりもわいセツだとは思わない。
余はベンメイす (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
わいはまだ若い、真打でもない、そら多少の気概はあるやろけれど、たかが甲斐性のない二つ目や」
寄席 (新字新仮名) / 正岡容(著)
納骨所に発生わいて、あの糜爛びらんした屍体を喰っている奴で、何とも形容の出来ない厭な生物いきものの一つだが、此奴こいつが今女の口腔くちから飛びだすと、微かな羽音を立てながら
青蠅 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
そのあとで曰く「いつて見なはれおツさん、あの泥のとこへ。あの顔ようわいに似たるわ」(「喧嘩の仲裁」)
初代桂春団治研究 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
五月、燕兵泗州ししゅうに至る。守将周景初しゅうけいしょくだる。燕の師進んでわいに至る。盛庸せいよう防ぐあたわず、戦艦皆燕のるところとなり、盱眙くいおとしいれらる。燕王諸将の策を排して、ただち揚州ようしゅうおもむく。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
今この迷をまして文明独立の本義を知らせようとするには、天下一人でもその真実の手本を見せたい、またおのずからその方針に向う者もあるだろう、一国の独立は国民の独立心からわいて出てることだ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わい、両せつ、各省の軍管区から選抜された「飛天神兵」と呼ばれる精鋭隊があると——これまた戴宗のさぐりによって分っていたからだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
退屈の刻を、数十すじゅうの線にかくして、行儀よく三つ鱗の外部そとがわを塗り潰す子と、尋常に手を膝の上に重ねて、一劃ごとに黒くなるまるの中を、端然たんねんと打ち守る母とは、咸雍かんようの母子である。和怡わいの母子である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
つりも釣でおもしろいが、自分はその平野の中の緩い流れの附近の、平凡といえば平凡だが、何ら特異のことのない和易わい安閑たる景色を好もしく感じて、そうして自然にいだかれて幾時間を過すのを
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何を申す、わいらは一体、誰に育てられたと思う。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
座敷へ通し御湯おゆわいをりますと云ゆゑすぐさま後藤は彼男ととも風呂ふろいりながら酒肴をあつらへおきやがて風呂も仕舞て出來りしに女子どもは酒肴を持出もちいでければ兩人は打寛うちくつろぎて酒宴しゆえんに時刻をうつしけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのうち湯が沸騰わいて来たから例の通り氷のようにひえた飯へ白湯さゆけて沢庵たくあんをバリバリ、待ち兼た風に食い初めた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
藩論もおのずから面目を改め、世間一般西洋流のやかましい今日、福澤もマンザラでなし、あるいこれを近づけて何かの役に立つこともあろうとうような説がチラホラとわいて来たその時に
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
お勢の帰宅した初より、自分には気が付かぬでも文三の胸には虫がわいた。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
寂漠たる苔原ツンドラ地帯。せいぜい一尺ぐらい、それより育たないわい小な白樺と松。湿風モリヤンカが吹いて通る。琥珀こはく色の太陽。雁の声。空寂。
地底獣国 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)