“抱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いだ35.4%
25.4%
かか24.0%
かゝ5.5%
かかえ2.6%
だき1.6%
1.1%
かゝへ0.8%
だか0.7%
だい0.5%
かゝえ0.4%
だっ0.3%
かかへ0.2%
むだ0.1%
いた0.1%
いだい0.1%
いだか0.1%
いだく0.1%
うだ0.1%
かけ0.1%
かゝゆ0.1%
0.1%
0.1%
だけ0.1%
0.1%
でえ0.1%
0.1%
ほう0.1%
イダ0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかれどもべつ社界しやかい大弊根たいへいこんながそんするありて、壯年有爲そうねんゆういをして徃々おう/\にして熱火ねつくわ焔柱ゑんちういだくの苦慘くさんこゝろよしとせしむることあり。
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
なみだを目に一ぱいにしたかとみるまに、いてたわが子を邪険じゃけんにかきのけて、おいおい声を立ててきだすようなことがあるのである。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
このとき、盲目もうもく母親ははおやきながら、十五、六のむすめが、雪道ゆきみちあるいていきました。母親ははおや三味線しゃみせんかかえていました。旅芸人たびげいにんです。
雪消え近く (新字新仮名) / 小川未明(著)
鏡台の前に坐つてゐたかゝへの一人の蝶子が言ふと、咲子はまた自分の頭脳あたまへしつかり詰めこむやうに復習さらつてから、下駄を突かけた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
すると、ボーイは首肯うなずいて部屋を出て行ったが、間もなく等身大のわら人形をかかえて戻って来た。藁人形には不格好に胴衣チョッキが着せてあった。
火縄銃 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
垣を越える、町を突切つッきる、川を走る、やがて、山の腹へだきついて、のそのそと這上はいあがるのを、追縋おいすがりさまに、尻を下から白刃しらはで縫上げる。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そうして鼓をんだ。自分は少し待ってくれと頼んだ。第一彼がどこいらで鼓を打つか見当けんとうがつかないからちょっと打ち合せをしたい。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
表坊主に横井榮伯があつて、氏名がやゝ似てゐるが、これは別人であらう。あるひは想ふに、永井氏は諸侯のかゝへ醫師もしくは江戸の町醫ではなからうか。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
全く彼女は、島村さんの大きい広い愛の胸にすがり、だかかれたくなって追っていったのであろうと、私は私で、涙ぐましいほど彼女の心持ちをいじらしく思っていた。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「そんぢやぢい砂糖さたうでもめろ」とおつぎは與吉よきちだい籰棚わくだなふくろをとつた。寡言むくち卯平うへい一寸ちよつと見向みむいたきりでかへつたかともいはない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
手を突いて私へ頼むから、私もびっくりしたんだよ、本当に感心な事だって、当家うちにもうやって沢山かゝえもあるが
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
野郎一生の運が向いて、懐をはたいた、芸妓げいしゃ、女郎にれられたってそうは行かない。処を好き自由にだっこに及んで、夜の明けるまで名代みょうだいなしだ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まあくはしく申上げれば、長いお話も御座いますが、これも娘と申すのは名のみで、年季で置いたかかへも同様の取扱とりあつかひを致して、為て遣る事は為ないのが徳
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
真麻まそむら」は、真麻まあさむれで、それを刈ったものを抱きかかえて運ぶから、「むだき」に続く序詞とした。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
直ちにくまいたきて相角しつひに之をころすなり、熊人をのがれんとするときも亦然すと云ふ、此回の探検中たんけんちうくまひし事なし、之れ夏間は人家ちかやまに出でてしよく
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
古きけやきが巨人の腕を張つた様に茂つてる陰に『篠田』と書いた瓦斯燈ガスとうが一道の光を放つてるヂヤないか、アヽ此の戸締もせぬ自由なる家のうちに、の燃ゆるが如き憂国愛民の情熱をいだいて先生が
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
を以てする時はお内義ないぎさまいつもお内義さまでは陰中いんちゆうに陽をいだかずして天理てんりかなはず、をり/\はをつとかはりて理屈りくつをいはざれば家内かないおさまらず、さればとて理屈りくつすぎ牝鳥めんどりときをつくれば
陰中いんちゆうやうつゝみ、陽中やうちゆういんいだくは天地定理中ぢやうりちゆう定格ぢやうかく也。老子経らうしきやう第四十二しやういはく万物ばんぶつ陰而いんをおびてやうをいだく沖気以ちゆうきもつてくわをなすといへり。
かく設け備へて、その御子をうだきて、城の外にさし出でたまひき。ここにその力士ちからびとども、その御子を取りまつりて、すなはちその御祖みおやりまつらむとす。
多「それでは十四年ぜん此方こちらかけえられた、鹽原角右衞門という方がありやんすか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かゝゆとき請人うけにんは何者がいたしたるやとある粂之進くめのしん夫はすなはをつと八に候と云大岡殿かさねて其喜そのき八は火付盜賊に相違さうゐなしとてそれがし方へ添状そへじやうを以て此程このほどおくられたる其許そのもと何故なにゆゑ科人とがにんの妻をやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
代助は斯う云つて、あによめ縫子ぬひこ蝙蝠傘かはほりがさげて一足ひとあし先へ玄関へた。車はそこに三挺ならんでゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
肩をめむとあへぎゆく。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
なんでだつぺなまあ、おめえそんなにねえで面倒めんだうてやらつせえよ、れがおめえをんなでもなくつてさつせえ、こんなちひせえのだけえてやうあるもんぢやねえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「なあ、武どん。わたしがこういうも、何もおまえのためわるかごとすっじゃなかからの。わたしにゃたッた一人ひとりおまえじゃ。おまえに出世をさせて、丈夫な孫えて見たかばかいがわたしの楽しみじゃからの」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
くの「お定がこんなにでかく成りやしたよ、ちょっくらでえて遣っておくんなせえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼は振り返えって言うには「水生シュイションや旦那さまに頭を下げないかい」そこでうしろに身をかくしていた幼子をき出した。
故郷 (新字新仮名) / 魯迅(著)
博物館はくぶつかんに、いま光琳こうりんほう一など、琳派りんぱ陳列ちんれつがあるのじゃがな。」と、叔父おじさんは、博物館はくぶつかんもんのあるほうをつえでしました。しかし、そのほうには、人影ひとかげすくなくて、さびしかったのです。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
師匠ししょうさまがつらつら亀卜きぼく卦面かめんを案じまするに、すなわち、——富岳フガク鳳雛ホウスウマレ、五狂風キョウフウショウジ、喬木キョウボクアクツミイダイテライカル——とござりましたそうです
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家郷追放カキョウツイホウ吹雪フブキナカツマトワレ、三人サンニンヒシトイ、サダマラズ、ヨロヨロ彷徨ホウコウ衆人蔑視シュウジンベッシマトタル、誠実セイジツ小心ショウシン含羞ガンシュウ、オノレノヒャクウツクシサ、イチズ、高円寺コウエンジウロウロ
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)