“引抱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっかか55.2%
ひんだ24.1%
ひつかゝ6.9%
ひきかゝ3.4%
ひっかかえ3.4%
ひつかか3.4%
ひツかゝ3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彌作も魂消たまげて息を殺していると、𤢖は鶏舎とやの中から一羽をつかみ出して、ぎゅうとくびねじって、引抱ひっかかえて何処どこへか行ってしまったと云いますよ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大船、おおふなと申す……驚破すわや乗越す、京へ上るわ、とあわただしゅう帯を直し、棚の包を引抱ひんだいて、洋傘こうもり取るが据眼すえまなこ、きょろついて戸を出ました。
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
むねこたへた、爾時そのとき物凄ものすご聲音こわねそろへて、わあといつた、わあといつてわらひつけたなんともたのみない、たとへやうのないこゑが、天窓あたまからわたし引抱ひつかゝへたやうにおもつた。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あけよ/\と制しけるゆゑ人々動搖どよめき合て片寄かたよらんとする時彼の文右衞門が女房お政は具足櫃ぐそくびつ脊負せおひ差替さしがへの大小等を引抱ひきかゝへし事なれば女の力にては人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どうしたなどと、言って見たり、耳を引張ひっぱったり、ひげの数を数えたり、様々に扱うと、畜生とて黙っておらず、ニャアと一声身顫みぶるいをして駈出かけだそうとするのを、逃がしてなろか、と引抱ひっかかえ
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
無残やな、振仰ぐ宮がのんどは血にまみれて、やいばなかばを貫けるなり。彼はその手を放たで苦きまなこみひらきつつ、男の顔をんと為るを、貫一は気もそぞろ引抱ひつかかへて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
(さあ、わたしいて此方こちらへ、)とくだん米磨桶こめとぎをけ引抱ひツかゝへて手拭てぬぐひほそおびはさんでつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)