“挟”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
はさ64.8%
さしはさ19.7%
はさま7.2%
さしは3.4%
ばさ1.7%
たばさ0.7%
0.3%
さし0.3%
さしば0.3%
せばま0.3%
0.3%
はさん0.3%
ハサ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから彼は私の右手をなで、ひどく感心している様子でしたが、ひづめはさまれて手が痛くなったので、私は思わず大声をたてました。
しかもあの柔順らしく見える愛子は葉子に対して生まれるとからの敵意をさしはさんでいるのだ。どんな可能でも描いて見る事ができる。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
真中まんなかはさまった私を御覧。美しい絹糸で、身体からだ中かがられる、何だかくすぐったい気持に胸がしまって、妙に窮屈な事といったらない。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分はその憐れな物語に対する同情よりも、こんな話をことさらにする兄の心持について、一種いやな疑念をさしはさんだ。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
じゃ皆さん、ご機嫌よう。ついでに私の机もご機嫌よう。——あとは、夜道をすっ飛ばすだけです。(図面を紙ばさみに納める)
喜「黙れ、天が殺したとはなんだ、左様な云いわけで済むか、し左様な事があったら何ゆえわしに其の事を忠告致さん、わしも浪人しても大小はたばさんでる、お前の手は借らん」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
君も今から廃刀と決心して、いよ/\飾りにさなければならんと云うなら、小刀でも何でもよろしいと云て、大きに論じた事がある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この男はる徳川家の藩医の子であるから、親の拝領したあおい紋付もんつきを着て、頭は塾中流行の半髪で太刀作たちづくりの刀をさしてると云う風だから、如何いかにも見栄みえがあって立派な男であるが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
諸王と帝との間、帝はいまだ位にかざりしより諸王を忌憚きたんし、諸王は其の未だ位に即かざるに当って儲君ちょくんを侮り、叔父しゅくふの尊をさしばんで不遜ふそんの事多かりしなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いろいろな商店や通行人や電燈や縁日商人などのなかを、一歩ずつ黒ずんだ姿を運んでくるのが、その町の家並がだんだん背後に遠くせばまってゆくのと一しょに写し出していた。
香爐を盗む (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そっと両手でさんで、往来のくぼみへ置いてやりましたが、蛙は疲れているのか、道ばたに呆んやりつくばったままでいますので、より江はひしゃくに水をんでぱさりと
(新字新仮名) / 林芙美子(著)
道をはさんで、入口に清水のく、藤棚のかかった茶店があって、(六地蔵は、後に直ぐそのわきに立ったのですが、)——低く草の蔭に硝子ビイドロすだれが透いて、二つ三つ藍色あいいろの浪をいた提灯ちょうちんともれて
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二喬ヲ東南ニハサンデ長空ノ螮蝀テイトウノ如ク
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)