“睜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みは75.6%
みひら17.7%
ひら1.3%
ミヒラ0.9%
0.6%
みまは0.6%
みまも0.6%
みまわ0.6%
ミハ0.6%
0.3%
みつ0.3%
みつめ0.3%
みはっ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勘作は起きあがって笊の中をのぞいた。大きな二尺ばかりの鯉が四ひきと、他にふなはやなどが数多たくさん入っていた。勘作は驚いて眼をみはった。
ある神主の話 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
中毒と覚しい痕もなければ、皺の深みに隠れている、針先ほどの傷もなく、両眼もみひらいてはいるが、活気なく物懶ものうそうに濁っている。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その眼は強く広くひらかれていたが、眼前にかくも怖ろしいものがあるにもかかわらず、いつものように病的な、膜までかかったような暗さは見られなかった。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
闇の中にばかりツブつて居たおれの目よ。も一度くわつとミヒラいて、現し世のありのまゝをうつしてくれ、……土龍の目なと、おれに貸しをれ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
その癖、その友達の中には、眼をはるやうな美しい恋をしてゐるものもないではなかつた。
路傍の小草 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
見るとつがひのふくろで、厭世哲学者のシヨオペンハウエルのやうな眼をして、じつと其辺そこらみまはしてゐたが、暫くすると背後うしろの藪のなかへ逃げ込んでしまつた。
おくれ馳せの老女いぶかしげに己れが容子ようすを打ちみまもり居るに心付き、急ぎ立去らんとせしが、何思ひけん、つと振向ふりむきて、件の老女を呼止めぬ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
身忙みぜわしそうに片膝立てて、当所あてどなくみまわしながら
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さうした無聊な目をミハらせる物は、忘れた時分にひよつくりと、波と空との間から生れて来る——誇張なしに——鳥と紛れさうなり舟の姿である。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ねむくはないので、ぱちくり/\いてても、ものまぼろしえるやうになつて、天井てんじやうかべ卓子テエブルあし段々だん/\えて心細こゝろぼそさ。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
老人は衰えた双眸そうぼうに感動の色をあらわしながら、じっとお留伊の眼をみつめた。
鼓くらべ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
母は無意味に池の上をみつめていたが、やがて気を換えて
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
すると女は黒い眼を眠そうにみはったまま、やっぱり静かな声で、でも、死ぬんですもの、仕方がないわと云った。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)