“卓子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
テーブル73.8%
テエブル14.7%
テイブル3.0%
ていぶる2.2%
てえぶる1.0%
たくし1.0%
つくえ0.7%
てーぶる0.7%
つくゑ0.5%
デスク0.5%
テェブル0.2%
チオズ0.2%
いす0.2%
しつぼく0.2%
ちゃぶだい0.2%
づくえ0.2%
テエプル0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なぜならその小さい卓子テーブルは大西洋の無限な空虚を走ってる、巨船モラヴィアの食堂に散らばってる多くの小さい卓子テーブルの一つであった。
(無造作に、座を立って、卓子テエブル周囲まわりに近づき、手を取らんとかいなを伸ばす。美女、崩るるがごとくに椅子をはずれ、床に伏す。)
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつか散歩のついでに町の花屋で買って来たサイネリヤが、雑誌や手紙や原稿紙の散らばった卓子テイブルすみに、わびしくしおれかかっていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
... しめて来たまえ(大)夫や実に難有ありがた畢生ひっせい鴻恩こうおんだ」谷間田は卓子ていぶるの上の団扇うちわを取り徐々しず/\と煽ぎながら少し声を低くして
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
余は又目科がく詮さくする間に室中を其方此方そちこちと見廻して先に判事の書記が寄りたる卓子てえぶるの下にて見し彼のコロップの栓を拾い上げたり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「あゝ、はらがへつた!」MMえんじをはるとかたへの卓子たくしうえから、ビスケツトかなにかをつまんでくちほうりこんだ。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
彼は、黙々として卓子つくえの前に坐った。と、手元に彼の使っている白い封筒がふくらんで、きちんと、置かれているのに気がついた。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さも嬉しそうに眺めて、一晩中卓子てーぶるに坐つてゐるのも、決して悪い感じではなかつた。
私の社交ダンス (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
たゞそのダイヤモンドが卓子つくゑの上の蝋燭を倒したばかりに主人のニユートンは二十年丹精した光学の原稿を焼かれてしまつた。
卓子デスクに頬杖をして滝本が、置額に容れたローラの写真を眺めながら、ぼんやりと物思ひに耽つてゐた時
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
……どれ、(樹の蔭に一むら生茂おいしげりたるすすきの中より、組立てに交叉こうさしたる三脚の竹を取出とりいだして据え、次に、その上のまろき板を置き、卓子テェブルのごとくす。)
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青黒い兵営から、布団や、床篦子チャペイズや、弾丸が持ち出された。そして、街で、金に換えられた。ホヤのすすけた豆ランプも、卓子チオズも、街へ持ち出された。
武装せる市街 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
ひとりで舞台をさらったヘンダスンは、得意時の人間の商人的馬鹿ていねいさで卓子いすへ近づいて、いきなりポケットから二通の書類を取り出して叩きつけた。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
榛軒は関帝を祭る日に、客に卓子しつぼく料理を饗した。円卓の一脚に機関があつて回転するやうにしてあつた。中央に円い皿一枚、周匝めぐりに扇形の皿八枚を置いた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
母と卓子ちゃぶだいをはさんで新子は、しみじみと云い出した。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
その日光に照らされて、書き物卓子づくえが明るく輝き、一枚の図案を照らしている。図案というより模様と云った方がいい。微妙な単純な斑紋を持った、一個ひとつの蝶の模様である。
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
膝行しっこうして進む。侍女等、姿見を卓子テエプルの上に据え、錦の蔽をひらく。侍女等、卓子の端の一方に集る。)
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)