“周匝”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あたり33.3%
めぐり23.8%
まはり19.0%
しゅうそう9.5%
まわり9.5%
すさい4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蛇目の傘をさした若い女の紫の袴が、その周匝あたりの風物としつくり調和してゐた。傘をさす程の雨でもなかつた。
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
扨て例の岩の裂け目を通り越して見ると、こゝは一つの岩窟いはむろです。窟の形は劇場の桟敷に似て居て、その周匝めぐりは急な崖です。
新浦島 (新字旧仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
さる四辻で、一人の巡査があたかも立坊の如く立つて居た。其周匝まはりを一疋の小犬がグル/\と廻つて頻りに巡査の顔を見て居るのを、何だか面白いと思つた。
雪中行:小樽より釧路まで (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
理智的にその結論が如何いか周匝しゅうそうで正確であろうとも、それが果して本能なる愛の本体を把握し得た結論ということが出来るだろうか。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
フランツは麻のようなブロンドな髪が一本一本逆につような心持がして、何を見るともなしに、身の周匝まわりを見廻した。目に触れる程のものに、何の変った事もない。
木精 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
途中、和気とか佐伯とか周匝すさいとかいう小さい村や部落を時々見るほかは、行けども行けどもといった感じである。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)