“瞑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つぶ36.6%
つむ21.4%
13.1%
ねむ12.0%
めい10.3%
ねぶ1.7%
ふさ1.4%
ツブ0.9%
くら0.6%
0.6%
かす0.3%
とざ0.3%
めつぶ0.3%
めつむ0.3%
ネム0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手品師はそれを受取ると五尺ほどの足のついた台上に置いて、自らは蝋燭らふそくともし、箱の上下左右を照して、しばらくはぢつと目をつぶつた。
手品師 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
隠密がもし召し捕られた場合には眼をつむって責め殺されるか、但しは自殺するか破牢するか、三つに一つを選むよりほかはないので
半七捕物帳:33 旅絵師 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
伏せてゐたい時、ぢてゐたい時、私は其處にかすかに岩を洗ふ溪川の姿を見、絲の樣なちひさな瀧のひゞくのを聽くのである。
机を置いてこれに対し、浴衣に縮緬ちりめん扱帯しごきめて、ひじをつき、けざまの目をねむるがごとくなるは、謂うまでもなく鴨川であった。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この点を尊重して大正十三年には源内に従五位を追贈せられたので、彼もまたこれによりて安んじてめいすることができるのでありましょう。
平賀源内 (新字新仮名) / 石原純(著)
眼をねぶつた様な積りで生活といふものゝ中へ深入りして行く気持は、時として恰度ちやうどかゆ腫物しゆもつを自分でメスを執つて切開する様な快感を伴ふ事もあつた。
弓町より (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
眼をふさぎいし十兵衛は、その時例の濁声だみごえ出し、やかましいわお浪、黙っていよ、おれの話しの邪魔になる、親方様聞いて下され。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
闇の中にばかりツブつて居たおれの目よ。も一度くわつとミヒラいて、現し世のありのまゝをうつしてくれ、……土龍の目なと、おれに貸しをれ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
さう思ふと、生きてゐた時、その時、その場の恋をした女達、わかれた後忘れてしまつた女達に、また逢ふことの出来るのはくらいあの世のさむしい河のほとりであるやうな気がしてくる。
雪の日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そうして、反絵の片眼はむられたまま砂の中にめり込むと、二人は長く重なったまま動かなかった。卑弥呼はひとり彼らの方へ近かづいた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
『なるほど山だ、どうですこのかすかな色は!』とさもなつかしそうに叫んだ。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
その両眼はとざされていた。彼女は祈っているのであった。眼の縁を陰影かげ隈取くまどっていた。陰影を一層濃くしているのは、眼瞼まぶたからはみ出した睫毛まつげであった。唇が半分開いていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
めつぶる…………
孤閨瞋火 (新字旧仮名) / 山口芳光(著)
眠るためめつむるならず耳しひに聴き得る虫の音独りかなしむ
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
其時ソノトキノ胸中ハ、何カ向フハ闇夜ノ如クニテ、一向分ラズ、目ヲネムリ、念仏ネンブツトナヘテ、一図ニ飛ビ込ンデヤリヲ入レタルニ、何カ手答ヘシタルト覚エシガ、敵ヲ突キ留メタルナリ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)