弓町よりゆみまちより
詩といふものに就いて、私は随分、長い間迷うて来た。 啻に詩に就いて許りではない。私の今日迄歩いて来た路は、恰度手に持つてゐる蝋燭の蝋の見る/\減つて行くやうに、生活といふものゝ威力の為に自分の「青春」の日一日に滅されて来た路筋である。其時々 …
題名が同じ作品
弓町より (新字新仮名)石川啄木 (著)