“一処”のいろいろな読み方と例文
旧字:一處
読み方割合
ひとところ61.0%
いっしょ26.8%
いつしよ4.9%
ひとつ4.9%
ひとつところ2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
胸を打って、襟をつかんで、咽喉のどをせめて、思いを一処ひとところに凝らそうとすれば、なおぞ、千々ちぢに乱れる、砕ける。いっそ諸共に水底へ。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
また甲乙二つの知識が単独には大した役に立たないのが二つ一処いっしょになったおかげで大変な役に立ったという例はいくらでもある。
「さうは思ひはしないよ。お前の方にも理はあるのだから、さうは思ひはしないけれど、一処いつしよに居たらさぞ好からうとは……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「うむ。」と腰をのばして老婆は起き、「やれ、汚穢むそうござります。」藁屑わらくず掻寄かきよせて一処ひとつに集め
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
妾は一処ひとつところにじっとしているとひどく不安に襲われるものですから、立上ると、まるで発作を起した女のように、部屋の中をぐるぐると廻りました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)